数学とクイズでくつろいで数学の部屋どこよりも遅い!センター試験数学 解説情報関係基礎 第1問 解説

どこよりも遅い!情報関係基礎 第1問 解説

最終更新日2010年7月20日

問1

 a. 2進数の111111を10進数で表すと32+16+8+4+2+1=63.よって[アイ]=63−31=32

 b. 8桁の2進数の最大の値は11111111で10進数で表すと255。これを16進数で表すとFFとなるため、任意の8桁の2進数は桁の16進数で表すことができる。

 c. 各桁が同じである2桁の16進数は aa と表すことができる。

aa=a×11

となるため、aa は11の倍数である(共に16進数)16進数の11を10進数で表すと17。17は素数であるため、2以上17未満の数で aa の倍数なるものは他にはない。よって aa は常に17の倍数である。

 d. 光の三原色の明るさを2ビットで表せば、各色について2^2=4段階の明るさを表すことができ、最大4^3=64色を表すことができる。
 一般に明るさをNビットで表すとき、各色の明るさは2^N段階で表すことができ、色は最大(2^N)^3=2^(3N)色を表すことができる。
 色を最大4096色を表すことができるとき、4096=2^(12)であるため、3N=12.つまりN=ビットとなる。

 e. 画像の1画素あたりの情報を32ビットで表すと、横1024個、横768個の画素からなる画像の情報のビット数は

 32×1024×768
=(2^5)×(2^10)×(3×2^8)
=3×2^23

となる。これをMバイト単位に変えると

 3×2^23ビット
=3×2^20バイト
=3×2^10Kバイト
Mバイト

となる。このような画像を1秒間に30枚表示して再生される動画を4秒間録画した場合のデータ数は

30×4×3Mバイト=360Mバイト

である。


問2.

 a. 補数(サ.に入る解答は1.)とは、正の数・負の数を+・−で表す代わりに先頭に0・1を使う表現。

 b. 文字コード(シ.に入る解答は0.)とは、文字や記号を扱うために、それぞれに与えられている数字のこと。アルファベットは ASCII コードなどがあり、日本語では JIS コード、また他の言語も表示できる Unicode などがある。

 c. 標本化(サンプリング)(ス.に入る解答は1.)とは、音声などのアナログ信号を一定時間ごとに取得すること。取得したデータを元にデジタルデータに変更して記録する。

 d. ベクタ(ベクトル)表現(セ.に入る解答は2.)とは、画像の直線などの情報を座標や長さを数値化することで表すこと。これらのデータを元に再度画像を表現することが可能になる。

 e. 圧縮(ソ.に入る解答は5.)とは、データの内容を保ちながら、データ量を小さくする方法。特に、データ量の多いファイルなどをネットワーク上で行き来させるときに使われる。圧縮したデータを元のデータの状態に復元させることを「解凍」「展開」などという。


問3.

 問3はある機械で、5行21列のタイル状の模様から文字列を認識されることについて考えている。各タイルを黒または白で表し、各列のタイルのパターンと文字とを対応させている。

図1

文字列が21文字に満たない場合は、文字に対応していない部分を「*」に対応するバターンで埋める。この表示の場合、右端の文字が「*」の文字列は表示ができないため、そのような文字列は扱わないことにする。

 a. 図1の対応を元に模様の各列のパターンを文字に置き換えると

16文字以降の「*」は省かれるため認識される文字列は「have*a*nice*day」(解答群の .)となる。

 b. 「sakurasaku!」に対応する模様を紙に印刷し、180度回転させた模様を機械で認識させてみる。

得られる文字列は解答群の.になる。

 c. 各選択肢について、模様の向きを自動的に認識できるか調べてみる。以下の条件で模様を上下逆にした場合に条件を満たさなければ、模様の上下の認識ができる。

0.「文字列の左から11個目は必ず『!』とする」
  11個目(模様の中央)を『!』にした場合、模様を逆にすると左から11個目は『x』となる。このため左から11個目が『!』であれば正しい向き、『x』であれば上下が逆であることが分かる。

1.「文字列の左から5個目と17個目は必ず『*』とする」
  5個目と17個目は上下逆にすると、互いに位置に移る。このとき次のような模様を考える。

 5個目と17個目:『*』、1個目〜20個目(5,17個目は除く):『a』、21個目:『b』

 この模様を上下逆にしても5個目と17個目は『*』であるため、上下の判別ができない。また、この模様は「文字列の左端に『*』を使うことを禁止する」という条件も満たすため、1.の条件と併用しても模様の向きは認識できない。

2.「文字列の右端の記号は必ず『:』とする」
  このとき次のような模様を考える。

 右端と左端:『:』、2個目:『a』、その他の位置:『*』

 この模様を上下逆にしても両端が『:』であるため、上下の判別ができない。また、この模様は「文字列の左端に『*』を使うことを禁止する」という条件も満たすため、2.の条件と併用しても模様の向きは認識できない。

3.「文字列を20文字以下に制限する」
  このとき次のような模様を考える。

 1個目:『*』、2個目『a』、3個目〜21個目:『*』

 この模様を上下逆にしても20文字以下の文字列になるため、上下の判別ができない。
 次に「文字列の左端に『*』を使うことを禁止する」という条件を加えた文字列を考える。上下逆にした場合、文字列の右端(21個目)は『*』以外の文字になるため、文字列が21文字になる。このことから右端が『*』であれば正しい向き、それ以外の文字であれば上下逆の向きということが分かる。

4.「文字列を20文字以上に制限する」
  このとき次のような模様を考える。

 1個目、21個目:『a』、2個目『b』、3個目〜20個目:『*』

このとき上下を逆にしても、両端は『a』であるため、上下の向きを判別できない。また、この模様は「文字列の左端に『*』を使うことを禁止する」という条件を満たすため、この条件を併用した場合でも向きの認識はできない。

以上のことから模様の向きを自動的に認識できる条件は0.である。また「文字列の左端に『*』を使うことを禁止する」という条件を併用して目的を達成できるのは 3.である。


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