どこよりも遅い!数学2B第5問 解説
最終更新日2010年2月23日
次の表は、3回行われた 50 点満点のゲームの得点をまとめたものである。1回戦のゲームに 15 人の選手が参加し、そのうち得点が上位の 10 人が2回戦のゲームに参加した。さらに、2回戦のゲームで得点が上位の4人が3回戦のゲームに参加した。表中の「−」は、そのゲームに参加しなかったことを表している。また、表中の「範囲」は、得点の最大の値から最小の値を引いた差である。なお、ゲームの得点は整数値をとるものとする。
番号 | 1回戦 (点) | 2回戦 (点) |
3回戦 (点) |
1 | 33 | 37 | − |
2 | 44 | 44 | D |
3 | 30 | 34 | − |
4 | 38 | 35 | − |
5 | 29 | 30 | − |
6 | 26 | − | − |
7 | 43 | 41 | 43 |
8 | 23 | − | − |
9 | 28 | − | − |
10 | 34 | 38 | E |
11 | 33 | 33 | − |
12 | 26 | − | − |
13 | 36 | 41 | F |
14 | 30 | 37 | − |
15 | 27 | − | − |
平均値 | A | 37.0 | 43.0 |
範囲 | 21 | 14 | 7 |
分散 | 35.60 | B | 6.50 |
標準偏差 | 6.0 | C | 2.5 |
〔1〕1回戦のゲームに参加した15人の得点の平均値Aは(アイ).(ウ)点である。そのうち、得点が上位の10人の得点の平均値を A1, 得点が下位の5人の得点の平均値を A2 とすると、A1, A2, A の間には関係式
(エ)/(オ)A1+(カ)/(キ)A2=A
が成り立つ。ただし、(エ)/(オ)+(カ)/(キ)=1とする。〔2〕2回戦のゲームに参加した10人の2回戦のゲームの得点について、平均値 37.0 点からの偏差の最大値は(ク).(ケ)点である。また、分散Bの値は(コサ).(シス)、標準偏差Cの値は(セ)(ソ)点である
〔3〕3回戦のゲームの得点について、大小関係F<E<42<Dが成り立っている。
D、E、Fの値から平均値 43.0 点を引いた整数値をそれぞれ x, y, zとおくと、3回戦のゲームの得点の平均値が 43.0 点、範囲が 7 点、分散が 6.50 であることから、次の式が成り立つ。
x + y + z = (タ) x - z = (チ) x^2 + y^2 + z^2 = (ツテ) |
〔4〕2回戦のゲームに参加した10人について、1回戦のゲームの得点を変量 p、2回戦のゲームの得点を変量 q で表す。このとき変量 p と変量 q の相関図(散布図)として適切なものは(ハ)であり、変量 p と変量 q の間には(ヒ)。(ハ)に当てはまるものを、次の0.〜3.のうちから一つ選べ。
|
0.正の相関関係がある 1.相関関係はほとんどない 2.負の相関関係がある |
〔5〕2回戦のゲームに参加した10人について、〔4〕での変量 p, q を使って、得点の変化率を表す変量 r を、r = (q-p)/p × 100 (%) で定め、次の度数分布表を作成した。
階級(%) 以上 未満 |
人数 (人) |
−10〜 0 | |
0〜10 | |
10〜20 | |
20〜30 |
解答
[1]1回戦の15人の得点から 33 点を引いた値は以下の通りになる。
番号 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
得点−33 点 | 0 | 11 | -3 | 5 | -4 | -7 | 10 | -10 | -5 | 1 | 0 | -7 | 3 | -3 | 6 |
上位10人の平均値をA1、下位5人の平均値をA2とすると
上位10人の得点の合計=10 × A1、下位5人の得点の合計=5 × A2 ⇒ 15人の得点の合計=10 A1+ 5 A2
よって15人の得点の平均値は(10 A1+ 5 A2)/15 = 2/3 A1 + 1/3 A2 = A
となる。[2]2回戦の10人の得点の平均値 37.0 点からのそれぞれの得点の偏差および偏差の2乗を求めると以下の通りになる(「−」は2回戦に参加していないことを表している)
番号 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
偏差 | 0 | 7 | -3 | -2 | -7 | − | 4 | − | − | 1 | -5 | − | 4 | -1 | − |
(0+49+9+4+49+16+1+25+16+1)/10 = 16.00
よって、標準偏差Cの値は (16.00)^(1/2) = 4.0点である。[3]D,E,F と x,y,z の間には
D = 43 + x, E = 43 + y, F = 43 + z
という関係がある。3回戦のゲームに参加した4人の得点の平均値が 43.0 点であるため
(43 + D + E + F)/4 = 43 ⇒ 43×4 + x + y + z = 43×4 ⇒ x + y + z = 0 |
分散を求めると
{(D - 43)^2 + (E - 43)^2 + (F - 43)^2 + (43 - 43)^2}/4 = (x^2 + y^2 + z^2)/4
分散が 6.50 であるため、x^2 + y^2 + z^2 = 4 × 6.50 = 26
以上の3式の満たす x, y, z の値を求めると(x, y, z) = (4, -1, -3), (3, 1, -4)
の2組がある。大小関係F<E<42<Dより z < y < 0 < x が成り立つ。この関係を満たす x, y, z の値は (x, y, z) = (4, -1, -3) である。以上からD = 43 + 4 = 47, E = 43 - 1 = 42, F = 43 - 3 = 40
[4]0.と1.のグラフは (p, q) = (33, 33) にあたる点がない。3.のグラフは (p, q) = (44, 44) にあたる点がない。2.のグラフはすべての点が配置されているため(ハ)に当てはまるものは2.である。2.のグラフより、p の値が大きいほど q の値が大きいことがわかる。つまり変量 p と変量 q の間には正の相関関係がある。(選択肢の0.)
[5]変量 r について
r = (q-p)/p × 100 = 100 × q/p - 100 ⇔ q/p = (100 + r)/100 = 1 + r/100
このことから変量 r の階級は q/p から求めることができる。つまり、
0 ≦ r < 10 ⇔ 1 ≦ q/p = 1 + r/100 < 1.1
10 ≦ r < 20 ⇔ 1.1 ≦ q/p = 1 + r/100 < 1.2
番号 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
q/p | 1.1 ≦ 37/33 < 1.2 | 1 ≦ 44/44 < 1.1 | 1.1 ≦ 34/30 < 1.2 | 35/38 < 1 | 1 ≦ 30/29 < 1.1 |
番号 | 7 | 10 | 11 | 13 | 14 |
q/p | 41/43 < 1 | 1.1 ≦ 38/34 < 1.2 | 1 ≦ 33/33 < 1.1 | 1.1 ≦ 41/36 < 1.2 | 1.2 ≦ 37/30 |
数学とクイズでくつろいで<数学の部屋<どこよりも遅い!センター試験数学 解説<数学2B第5問 解説