「コマネチ大学数学科」に挑む・08年2月
最終更新日2008年3月1日
フジテレビで深夜に放送されている「コマネチ大学数学科」の問題に解く様子をご紹介します。数学をやってきたので簡単に解ける…と思ったものの…その奮闘振りをお楽しみに。なお、福岡での放送は二週間遅い模様です。そこら辺はご勘弁を。「皿回し(2/6)」 |
「ラグランジュ(2/13)」 |
「おしどり問題(2/20)」 |
「ハミルトン(2/27)」 |
ご意見がありましたらtfujisaki2006@yahoo.co.jpまでお願いします。
「皿回し(2/6)」
問題:5つの等間隔に並んだ棒の上で5つの皿を回すことにする。以下の条件で5つの皿が同時に回るためには最低何秒かかるか。
|
出た!!最短問題!!
とりあえず考えたことは「真ん中からスタートするのが良い」ということ。後は…とりあえず「数学研究会の挑戦」をみながら考えよう…
コマ大メンバーは「皿回しならやっぱり皿回し」ということで皿回しの名人の所に行った。小鉢ほどの皿を細長い棒の上で回すのに、コマ大は苦戦。しかし、名人は片手に5本ほど棒を持ちいとも簡単に回す。これでも六段。十段はどんなにすごいんだろう。
皿回しの特訓を受けた後は、シンプルに問題の条件に沿って最短の時間を計るコマ大。皿を回す、皿が止まる、移動、全てをきっかり時間を計り計測。真剣な表情でストップウォッチを見つめているため、
皿を落とすときの表情は怖かった。
一方マス北野は皿回し、いや、問題を解くのに苦戦。また東大生も苦戦しているが隠し芸として体の柔軟性を使った「しゃちほこ」と「腰回し」を披露。色々な意味で放送してよかったのだろうか…
さて本題です。最短時間は回し方はどうしたら良いのだろうか、分かりそうで分からない。一番のポイントは「端の皿を回してもう一方の端まで移動する」ということ。単純に端から順番に回す場合で5秒ずつかかる場合と、勢いづける2秒ずつかかる場合で考えると
|
|
1+5 | ||||
1+5 | ||||
1+5 | ||||
1+2 | ||||
1+2 | ||||
1+2 | ||||
1+5 |
38秒。これで決まり!!
各自の答えはご覧の通り。
|
|
正解…43秒!マス北野・ポヌ組、見事に正解!
中村先生の解答は以下の通り。おそらくマス北野・ポヌ組も同じ順序だったのでしょう。(3番目と4番目の回す順番を逆にしても同じ時間になる。)
1+5 | ||||
1+2 | ||||
1+5 | ||||
3+5 | ||||
1+2 | ||||
1+2 | ||||
1+2 | ||||
1+2 |
私は何を間違えていたか。私の答えで最初に回した皿は次に回すときにはすでに止まっていました。それを再び回すのに5秒かかるところを2秒と思い込んでいたのです。しかもその2秒を5秒に修正したら最後の一枚の皿を回すと他の一枚の皿がちょうど止まるのです。今回もお手上げ…
数学とクイズでくつろいで<数学の部屋<「コマネチ大学数学科」に挑む<「コマネチ大学数学科」に挑む・08年2月
「ラグランジュ(2/13)」
普段はビデオに録画して時間のあるときに見ている。久しぶりにリアルタイムで見ようかと考えていたが、疲れていたのでいつものようにビデオに撮った…
|
リアルタイムで見なくてよかった。
こんな難問を深夜に解けるわけがない。今回のテーマになっている「ラグランジュ」は解析の分野で様々な功績を残した数学者である、ということは知っていた。しかしテレビで話していた「マリーアントワネットに数学を教えていた」という話は知らなかった。雑学としてはいいかもしれないが、ラグランジュを知らない人が多いのであまり役には立たない。
コマ大の挑戦はいたってシンプル。同じ体積の粘土で問題の形を色々作りその中で表面積の小さいものを探す、というもの。各自が自分なりの形を作り、細長いものから寸胴型のものまでできた。表面積は同じ大きさの折り紙を表面に貼り付けて求める。何だかNHKの教育テレビを見ているみたいである。その中でアル北郷のものが最も表面積が少ないということでこの形を採用。答えを出した。ところで、お宮の松が茶髪をやめて普通の黒髪に戻した。何となくゴルファーの丸山茂樹に似ている。
テレビではマス北野組、東大生組がいつものように計算式を出している。と、突然走り出すマス北野。竹内先生の前に行き、一言
「体積、いくつ?」
竹内先生も苦笑いしながら、「体積は61.3」とあっさりヒントを出した(実際は「あっさり」じゃないかもしれない)体積は分かったが私は依然ペンが…いや足継ぎ鉛筆が進まず。しかしある程度は計算できるはず…ということで計算したものがこれ。
|
この後、微分するの?
そんなことしたらとんでもない式が出てくるぞ。他に方法はないか考えるが時間もない。そんな中私が出した解答は「√3」。その理由は勘!
それでは各自の答えです。正解…√5(=約2.2)
正解者はなし。しかしコマ大が一番近い値を出した。フィールズ賞はどうなるのでしょうか。さて、この問題はどのようにして解けば簡単に答えが出せるのでしょうか。竹内先生の解説では表面積の式から手計算でグラフを作り答えを出す、という方法もありますが、「ラグランジュの未定乗数法を使い、各変数を偏微分を行い連立方程式を解く」という方法があるそうです。しかし
詳しい解説や省略します。
でも知りたい人がいると思いますので、こちらに解説を書いています。⇒⇒⇒ PDF ファイルですがどうぞ今回のコマネチフィールズ賞を誰にするか。竹内先生も悩みましたが、一番近い値を出した、という理由でコマ大チームがコマネチフィールズ賞に決まりました。数学は計算で様々なことを解決していきますが、試行錯誤で答えを導くのが基本である、ということをこの2週間で痛感しました。
これからはコマ大についていきます
数学とクイズでくつろいで<数学の部屋<「コマネチ大学数学科」に挑む<「コマネチ大学数学科」に挑む・08年2月
「おしどり問題(2/20)」
「おしどり問題」と聞いて「おしどり夫婦」を思い浮かべるがそういう問題なのだろうか…
問題:男女20人ずつが交互に並んでいる状態から男女別に20人ずつの列に並べ替える移動を行う。ただし以下の条件で移動を行う。
|
● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
コマ大の挑戦は今回もスタジオでの挑戦。「おしどり夫婦」ということで登場したのが林家ぺー・パー子夫妻。一気にバラエティ色が強くなった。たとえていえば
数学バラエティ ⇒⇒⇒⇒ 数学バラエティ
となった感じである。しかし問題を解く方法は芸能界のおしどり夫婦20組が書かれた名札を並べ替えるというシンプルな方法。よく見ると西川きよし・ヘレン夫妻のようなおしどり夫婦から、陣内智則・藤原紀香夫妻のように「おしどり」と言えないような夫婦まで揃っていた…まっ、いいか中村先生が「人数が少ないところから考えていくのがよい」とアドバイスをしたため、マス北野組、東大生組は5人ずつ、6人ずつ…と考えて規則を見つけようとした。私も同じように人数の少ないところから考えていく。しかし、まず男女別に分かれるように並べ替えるだけで一苦労である。その中から最短の移動数を見つけなければいけない。最初の4人ずつの例での空きの部分を見て「こういう方法で並べ替えられるかな」とやってみたのがこちら。
5人ずつの場合
|
6人ずつの場合
|
各自の答えはご覧の通り。
正解…20回!コマ大ぴったし正解!
20回でどのように動かせばよいか。コマ大が話していた「外側からそろえていく」方法でできるとのこと。8人ずつの場合を考えてみる。
● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
4人ずつの例の移動をする | |||||||||||||||||
● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
ここでは4の倍数の人数の場合で説明しましたが、他の人数の場合でも5人ずつなら5回、6人ずつなら6回…となり男女の人数の分と移動の回数が同じということが分かります。
今回は見事に20回の移動を見つけたコマ大がコマネチフィールズ賞をもらった(中村先生曰く「ハノイの塔の借り」もあるそうです)ところで、この問題はおしどりのオスとメスが池の杭に並んで留まっていた様子から作られたようです。しかし、よく考えたらこの問題、最初は夫婦並んでいても最後はばらばらに分かれて終わってしまいます。それならばコマ大の挑戦のときの名札は
あの元夫婦とか、あの元夫婦とか、あの元夫婦とか…
並べた方がよかったかもしれませんね(どの元夫婦を並べるかは皆さんにお任せします)数学とクイズでくつろいで<数学の部屋<「コマネチ大学数学科」に挑む<「コマネチ大学数学科」に挑む・08年2月
「ハミルトン(2/27)」
相変わらず福岡で「コマ大」の放送は2週間遅れである。2月も終わろうとしているのに番組はバレンタインデーの話題から始まった。コマ大は様々な義理チョコの話のネタをしていた。私はテレビを見ずに最初に出された問題を考えていたが、「島倉チョコ」のオチは聞いているだけでも分かった
|
コマ大は「9×9のマス目」ということで三軒茶屋の将棋倶楽部をたずねた。将棋盤の上で問題の×印の位置にパネルを置き、他のマスには将棋の駒を立てて一筆書きの将棋倒しが出来るか試してみる。試行錯誤を繰り返すものの一筆書きの将棋倒しは完成できず。やはり「出来ない」可能性が高いようである。
マス北野組、東大生組も同じように一筆書きをあれこれ試しながら出来るか出来ないか考える。つまり、答えを出すのに使うのが将棋盤か紙の上かだけの違いである。ここしばらく、難問が続いているせいでしょうか「東大生プチ情報」がありませんね。この前の「腰回し」が原因で無くなったというわけではないでしょうね。
それでは各自の答えです。
正解…出来ない!
全員が正解。さて出来ない理由は何なのでしょうか。そしてコマネチフィールズ賞は誰の手に…あれっ?私の悪戦苦闘振りはどうしたの?と思われたごく少数の皆さん。私はこの後の解説とほぼ同じ理由で「出来ない」と正解を出しましたので、これから説明していきます。
× | ||||||||
i2 = j2 = k2 = -1, ij = -ji = k, jk = -kj = i, ki = -ik = j
が成り立つ数のことです。これ以上は話さないほうが良いでしょう…さて、コマネチフィールズ賞は誰か?3組とも正解したものの確実な理由を出してはいない。しかし、マス目の偶奇に着目した東大生組がコマネチフィールズ賞をもらった。コマ大組もマス目を市松模様にして考えていましたがあらぬ方向に進んでしまいました。
コマ大が作った芸能人の表を全部見せて欲しかったですね。
数学とクイズでくつろいで<数学の部屋<「コマネチ大学数学科」に挑む<「コマネチ大学数学科」に挑む・08年2月