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数学とクイズでくつろいで数学の部屋「コマネチ大学数学科」に挑む「コマネチ大学数学科」に挑む・08年4月

「コマネチ大学数学科」に挑む・08年4月

最終更新日2008年4月26日

フジテレビで深夜に放送されている「コマネチ大学数学科」の問題に解く様子をご紹介します。数学をやってきたので簡単に解ける…と思ったものの…その奮闘振りをお楽しみに。なお、福岡での放送は二週間遅い模様です。そこら辺はご勘弁を。

「卒業試験(4/2)」
コマ大プレイバック…「虫食い算」いや「覆面算」
コマ大プレイバック…「ラマヌジャン」

ご意見がありましたらtfujisaki2006@yahoo.co.jpまでお願いします。


「卒業試験(4/2)」

 「仰げば尊し~~」と歌い始めた戸部アナ。戸部アナ、英語も得意でないが、歌も今ひとつかな…失礼。今回は番組当初から出演していた東大生の木村美紀さん、松江由紀子さんが最後の出演ということで「卒業試験」として問題に挑戦することとなった。しかも今回の問題は高校2年生の視聴者、酒井諒さんが考えた問題。どんな問題かというと…

問題:右の図において

BE:EC = 1:2, AG:GE = 3:1
BH と AC は直交している。
HI は円の接線,
HI = 4cm, CI= 2cm

であるとき、三角形ABCの
面積を求めよ。

お~~!!図形の問題~~

円の接線であることからBHIの角度が直角であるのは分かるが、それ以降は全く分からない…

 オープニングに卒業式の定番「声掛け」で一ネタ披露したコマ大。続けて今回の出題者、酒井諒さんのデータを紹介。最後のオチ「お姉さんがきれい」でお姉さんが写り「神田うの似」と話していたが、私が見た感じでは作家の山田詠美さんに似ている…再び失礼。今回はコマ大の挑戦はなく、3組のガチンコ勝負、と思いきやコマ大が早々「ギブアップ」の表示。

私もギブアップしたい!!

 マス北野組、東大生組ともにすいすいと答えを出している。さらに別室では次回から番組に出演する東大生組2組(もちろん全員女性)が同じ問題を解いている。と、そこへギブアップしたコマ大が登場。なめるように見つめるコマ大に少々困惑する東大生。コマ大がその東大生の似顔絵を披露するが似ているのか似てないのかさっぱり分からない。

集中させてくれ!!

 結局、何の糸口も見つからず終了。ただ見た感じから「10平方cm」と見当をつけた。

マス北野・ポヌ組の答え9√3あれこれ定理を使わず、相似の関係を使い求めた。
東大生の答え9√3「チェバの定理」や「メネラウスの定理」などを使い求めた。
新東大生の答え9√3こちらも「チェバの定理」や「メネラウスの定理」などを
使い求めた。

 わたくし長いこと数学をしていました。「チェバの定理」や「メネラウスの定理」という定理は知っていましたが、定理の内容は知りません。マス北野の解答で中村先生が話していましたが、出題の時点ではBHIが直角かどうかは分からないそうです。でも見た感じは直角のような…

正解…9√3。私以外全員正解。

 実は東大生の解説で「方べきの定理」と聞いて、一気にひらめいた。 ここまで分かる。

方べきの定理から

CI * BI = HI^2
よって
BI = 4^2/2 = 8 cm
BC = 6cm, BE= 2cm, EC = 4cm

以降は中村先生の解説では…

メネラウスの定理から
1=(AD/DB)*(BC/CE)*(EG/GA) =(AD/DB)*(3/2)*(1/3) = (AD/DB)*1/2
つまり AD:BD = 2:1
次にチェバの定理から
1=(AD/DB)*(BE/EC)*(CF/FA) = (2/1)*(1/2)*(CF/FA) = CF/FA
つまり CF = FA
このことから三角形 ABF と CBF が合同であることが分かり
∠ABF = ∠CBF
また線分 CH を結ぶと、円周角の定理から ∠ABF = ∠HCA となり ∠BFC が 直角であることから ∠BCH も直角。
接弦定理を使うと ∠HBC = ∠CHI = 30度。以上から三角形ABCは一辺が6cmの正三角形であることが分かり、面積は9√3

 しかし、あれこれ考えると「CF = FA」を証明するにはもう少し簡単な方法がある。

E を通り BF に平行な線を引き CF と交わる点を J とする。このとき

CJ:JF = CE:EB = 1:2, AF:FJ = AG:GE = 3:1

これらから AF:FJ:JC = 3:1:2 となり AF:FC = 1:1 であることが分かる。

これ以降の解答はおそらく中村先生の解答以外はないと思う。今回の問題、 ん~~奥が深い。

 そのあと東大生2人の卒業をなぜか阻むコマ大。出された暗号問題をいとも簡単に解く東大生。

「2×5、7×1、4×*、1×2」→「コマダイ」となるとき

「7x2、2x2、8x2、2x2、2x5
1x1、9x2、2x*、4x5、1x3」
はどうなるでしょう?

これは携帯電話で文字入力のときを思い出すと「押すボタン×押す回数」を表していることが分かる。そうすると答えは「ミキユキコアリガトウ」となる。最後に二人から感謝の言葉が述べられ数々の名場面(迷場面?)が写された。正に卒業式のムードで終わったが…

出題者の酒井君は無視されていた。

何はともあれ、お二人ともご苦労様でした。


数学とクイズでくつろいで数学の部屋「コマネチ大学数学科」に挑む「コマネチ大学数学科」に挑む・08年4月


コマ大プレイバック…「虫食い算」いや「覆面算」

 3月に放送された「虫食い算」の回で覆面算の例として下の2題が紹介されました。

左の「SEND MORE MONEY」の覆面算はよく知られた問題ですのでここでの解答は省略します。

解けないというわけではありません。

ここでは右の覆面算を解いていきます。下のように5つの段をA,B,C,D,Eと記号をつけます。

まず、Bの段の計算を見ると「ク×シウマ=シウマ」という式が出てきます。そうなるためには「ク=1」でなければいけません。またDの段の1の位が「ク-コ=ク」という計算をしていますので、これから「コ=0」が分かります。この2つの数字を式に入れてみます。

 次にDの段を見ます。そうすると「サ×マ=?0」(?はどの数字かは分からない)掛け算の1の位が0になるときはどちらか一方の1の位は5か0でなければいけません。すでに0は使われていますので、「サ=5」または「マ=5」が分かります。

 一方Eの段を見ると「テ×マ=?0」となりますので、先ほどと同じく「テ=5」または「マ=5」となります。違う文字に同じ数字が入ることはないため、この2つの段から「マ=5」が分かります。またBの段の1の位の計算から「テ=6」となります。

Cの段の100の位の引き算を見ると「サ0-ウ6=ウ」となっています。繰り下がりも考えると「ウ=3」または「ウ=4」であることがわかります。一方Eの段の掛け算を見ると 「6×シウ5=ササ10」となっています。 となりますので掛け算の下2桁が「10」となるのは「ウ=3」のときになります。Cの段の引き算にこの「ウ=3」を使うと、1の位から「タ=8」、1000の位から「サ=4」となります。

 ここまできたら、残り3つの文字に入る数字が分かると思います。Dの段の引き算「3381-ラネ40=441」から「ラ=2」「ネ=9」。そしてEの段の計算「6×シ35=4410」からシ35=4410÷6=735となり「シ=7」。これで完成です。

最後に0から9まで対応する文字を並べると「コクラウサマテシタネ」、つまり、「ご苦労様でしたね」という文章が出来上がります。しらみつぶしに各文字に数字を適当に入れて答えを出すと手間がかかりますが、計算の仕組みを知っていれば小学生でも解ける問題なのです。

 20年ぐらい前には虫食い算や覆面算の本が多かったですが、最近ではあまり「良い」虫食い算や覆面算の本は見かけなくなりました。しかしインターネットで調べると次の二つのサイトで様々な問題が紹介されています。興味がありましたらご覧ください。


数学とクイズでくつろいで数学の部屋「コマネチ大学数学科」に挑む「コマネチ大学数学科」に挑む・08年4月


コマ大プレイバック…「ラマヌジャン」

 先日買って来ました「コマ大数学科特別集中講座」の中には放送で出題された問題と各組の問題を解く様子がダイジェストで書かれています。最初に書かれてあったのは2006年8月に放送された「ラマヌジャン」がテーマの問題。

問題:図のように端から順番に1番、2番、3番…と番号の付けられた家が並んでいる通りがあります。

この通りにある家の左側に並んでいる家の番号を全て足した数と右側に並んでいる家の番号を全て足した数が等しいとき、その家の番号を答えなさい。

ただし通りの家の数は10軒以上50軒以下とします。

 最初にこの問題を見たとき楽勝と考えた。だって数の和を計算すれば分かるから、と思い、まずは答えを見ずに私は計算を始めた…

答えの家の番号をx、全ての家の数をx+yとする。

x番目の家より左に並んでいる家の番号の和は1+2+…+(x-1)=x(x-1)/2

x番目の家より右に並んでいる家の番号の和は(x+1)+(x+2)+…+(x+y)=
xy+y(y+1)/2

この2つの値が等しいことから x(x-1)/2=xy+y(y+1)/2 これをまとめると

x^2-y^2-2xy-x-y=0

この式をxの2次方程式と見ると、xは整数であることから判別式は平方数でなければいけない(この文章の意味の分からない方は飛ばしてください)。

 この後あれこれ計算していくが、全く答えにたどり着けず。お手上げです。

 さて、ここで番組内での様子を本から一部引用して載せておきます。青の部分が本からの引用部、赤の部分は私のツッコミです。

 コマ大チーム…「ラマヌジャンといったらインド。インドといったら高円寺、高円寺といったらルック商店街です。」ということでルック商店街で検証を開始。
(インドといったら高円寺…なんでやねん!!)
コマ大が二手に分かれて商店街の両端から番号を足し合わせて同じになる地点を探す。しばし苦戦したときにここで登場アタルチャンス。見事に答えにたどり着いた。

コマ大チームの答え…「答えは須藤葬儀社の35軒目です」

マス北野…「オレはいいところに気づいたんだよ。8まで全部足すと36なんだよ。これは6の二乗なんだよ」
例の「8」と「6」の数字からこのような関係を見つける。 答えの家の番号をa、最後の家の番号をbとして a^2=b(b+1)/2となるa、bの組み合わせを電卓で探す。そうするとわずか5分でa=35、b=49の組み合わせを導いた。
(さすが閃きの天才…でもどうしてこの式で求まるの?)

マス北野の答え…「35軒目」

東大生チーム…マス北野と同じ計算によるa、bの組み合わせを探していた。しかし…
「40軒目。…時間がなくてここまでしか確かめられなかったんです。」
マス北野「1からやってるからダメなんだ。50からやれば2番目だったんだよ」

正解…もうお分かりでしょう、35軒目です。

 この後の竹内先生の解説でさらに謎が深まった。

竹内先生「マス北野の解法より、さらにもう一歩美しいものがあるんです。実はラマヌジャンはこれを連分数という方法を使って解きました。」

「連分数」とは分数の分母または分子に分数が入っているものを指す。今回の問題では次のような分数を使って考える。

となる。 (どうして連分数から答えが出るの??????)

 謎が謎を呼ぶ解説であった…

 さて、これまでで出てきた2つの謎についてさらに詳しい解説をしていきます。まず今回の問題とマス北野が話していた「8まで全部足すと36なんだよ。これは6の二乗なんだよ」の言葉、そして a^2=b(b+1)/2 の式との関係を考える。

最後の家の番号bをa+cと置いてみる。そうすると上の式は

a^2=(a+c)(a+c+1)/2

これを変形すると

a^2-c^2-2ac-a-c=0

aをx、cをyに置き換えると、私の計算で最後に出てきた式であった。

つまり、私はこの計算の逆の順番で式を変えていけば、マス北野と同じような計算ができたに違いない。しかし、

私にはこのひらめきは無理!

 さて、もう一つの謎、竹内先生の解説で出てきた連分数とこの問題との関係はどのようなものか。この内容はここに書くには難しいため、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。⇒PDFファイルですがどうぞ

 ところでラマヌジャンとはどのような数学者か?解析学の分野で多くの功績を残していまして、数々の数式を生み出しました。特に円周率を求める数式を数多く残しています。しかし証明がないため正に「閃きの人」という印象で名前が知られています。  このときマス北野はまだ一人で奮闘中。とはいえこの閃きは驚きです。コマ大は東大生組が入れ替わってまもなく新学期スタートとなります。

福岡では5月から新学期スタートです。


数学とクイズでくつろいで数学の部屋「コマネチ大学数学科」に挑む「コマネチ大学数学科」に挑む・08年4月