数学とクイズでくつろいで数学の部屋「コマ大数学科」に挑む「コマ大数学科」に挑む・08年8月

「コマ大数学科」に挑む・08年8月

最終更新日2008年9月21日

フジテレビで深夜に放送されている「コマ大数学科」の問題に解く様子をご紹介します。数学をやってきたので簡単に解ける…と思ったものの…その奮闘振りをお楽しみに。なお、福岡での放送は二週間遅い模様です。そこら辺はご勘弁を。

「自然数(8/7)」
「白銀比(8/14)」
「魔方陣(8/21)」
「コマ大プレイバック…
1、2回目(2006/4/13-4/20)」
「祝!100回 花の東大生数学祭り(8/28)」

ご意見がありましたらtfujisaki2006@yahoo.co.jpまでお願いします。


「自然数(8/7)」

 今回はいつものメンバーより一人少ない…と思ったら、東大生チームは木村さん一人。その代わりにスペシャルゲストの登場。昨年の「コマ大数学ワールドカップ」で見事優勝したジョンフンさんが再びやってきた。前回の出演で友人から絶賛の声を受けた、とのこと。しかも日本語で話す。負けじと韓国語を話せる〆サバアタルが韓国語で宣戦布告。


今日はよろしくお願いします…という丁寧な言葉

コマ大チームのオチは〆サバアタルに任せたがいいかもしれない…

問題:いくつかの連続した自然数の和が1000になりました。
このときの連続した自然数を求めなさい。

久しぶりにシンプルな問題

 コマ大は問題を解くため、まずはおもちゃの卸問屋に行った。ベーゴマやメンコなどの懐かしのおもちゃから音や光が出る銃や刀のおもちゃなどが置かれていた。そんな中コマ大が探していたのはビー玉。ビー玉をしこたま買って近くの公園にやってきた。公園に敷かれた、ちょうどビー玉1000個分の長さのレールの上に問題の条件に合うようにビー玉を並べていく。隣では小学校のブラスバンドが聞こえる。そしてコマ大ロケおなじみの雨…関東や東北では今年は大雨が頻繁に降っているようですが、九州はほとんど雨が降っていません。 

誰か九州に前線を引っ張ってきてください。

 ま、無法松の無駄なギャグも入ってどうにかコマ大は答えを出すことができたようです。(追記:福岡はここ一週間ほど大雨が降る日が続いています)

 さあ、マス北野、東大生木村さん、ジョンフンさんはどのように解いていくか…と思いきやいきなり答えを書き始めた…と思いきやなぜか別の計算を始める。正に「秒殺を超える」展開となった。

 今回は私も答えが分かりましたので解説に回ります。さあ、なぜ答えが出ているのにまた計算を続けたのでしょう。これは確かめているというわけではないようです。実は答えはいくつかあるのです。一つはひらめきで簡単に見つかります。

198+199+200+201+202=1000

他の答えはどのようにすれば求まるのでしょう。これについては連続する整数(もちろん自然数も含む)の和の次のような法則を使います。

連続する自然数の個数が奇数個の場合、その自然数の和は

(真ん中の数)×(連続する自然数の個数)

今の問題の場合で考えると(真ん中の数)×(連続する自然数の個数)=1000が成り立つ組み合わせを考えてみる。自然数の個数は奇数でなければいけないので、1000を割り切ることができる奇数は
5、25、125の3つ。それぞれの場合を考えると

自然数の個数真ん中の数連続する数
200198から202
254028から52
125−54から70

 最後の125個の場合だけ負の数が出てくるためこれは答えに入らない…

 忘れてはならないのは自然数の個数が偶数の場合であるこれについては…ま、後ほどお話します。再び番組の実況を。

 いつもは計算用紙に絵を書いているコマ大チーム。今回はジョンフンさんの似顔絵に挑戦。各自上手に描けている…と思ったら〆サバアタルだけが間違えて(?)通訳の女性を描いてしまう。一方マス北野は答えを2つ書いたと思いきや隣のジョンフンさんの計算を見ている戸部アナの実況「日韓問題にまで発展しそうです」

それは大げさ過ぎます。

さて、答えはどうなったかというと

コマ大チーム198から202検証の結果。
マス北野・ポヌチーム198から202
28から52
55から70
真ん中にあたるの数から考えた。
最後の「55から70」は
ポヌさんが見つけた
東大生チーム198から202
28から52
55から70
自然数の個数が奇数か偶数かで
場合分けをして考えた。
ジョンフンさん198から202
28から52
55から70
等差数列の和から考えた。

正解は
198から202
28から52
55から70
以上3通り

 では解説の続きを。自然数の個数が偶数の場合は次のことが成り立ちます。

連続する自然数の個数が奇数個の場合、その自然数の和は

(真ん中の2つの数の和)×(連続する自然数の個数)÷2

今回の問題では(真ん中の2つの数の和)×(連続する自然数の個数)=2000が成り立つ組み合わせを考えてみる。ただし「真ん中の2つの数の和」というものは2+3=5、16+17=33などのように必ず奇数になる。そのため「真ん中の2つの数の和」は2000の奇数の約数、5、25、125の3通り。それぞれの場合を考えると

真ん中の2つの数自然数の個数連続する数
5=2+3400−197から202
25=12+1380−27から52
125=62+631655から70

このうち全て自然数になるのは最後の場合のみになる。以上で問題の条件が成り立つものは3通りしかないことがわかる。

 竹内先生の解説もそこそこに終わったが、今回は見事に正解を出したジョンフンさんにコマ大フィールズ賞が渡った。機会があれば三たびジョンフンさんに来ていただいて

ジョンフン VS 秒殺シスターズ VS 悩殺シスターズ

という夢の対決(?)をみてみたいと思います。そのときまで


また会いましょう。という意味


改めて考えてみた
 連続する整数で和が1000になるものを探したときに負の数が出てくるものがあった。例えば「−54から70」を並べてみると

-54, -53, ... , -1, 0, 1, ... , 53, 54, 55, ... , 69, 70

 負の数の−54から−1はそれぞれ0をはさんで1から54で足し合わせて0になる。その結果残った数を見ると

55, 56, ... , 69, 70

これは問題の答えの連続する自然数の一つになる。同じようにして負の数が出てきた整数の列の負の数を消していくと

−197から202 ⇒ 198から202
−27から52 ⇒ 28から52

と見事に問題の連続する自然数が現れる。当たり前といえば当たり前だが何だか不思議…


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「白銀比(8/14)」

 今回のテーマは「白銀比」…「黄金比」はよく知っているが「白銀比」 はあまり聞きなれない言葉である。どんな問題か楽しみである

コマ大のオープニングギャグがあったが省略


問題:A4の紙を図のように2回折ったときの四角形BCDFの面積を
求めなさい。なお、紙の横の幅は10cmとする。

今回もシンプル…でも、てこずりそう…

 私は開いたときの2つの三角形の面積を求めることから始めた…上の三角形ADEの面積は50平方センチメートルとすぐに分かる。下の三角形DCFの面積は… 

 コマ大は白銀⇒しろがね⇒雪という連想で常設のゲレンデ場で問題に挑む。ゲレンデの上に問題の長方形を拡大した形にひもを張って問題の折り方でできる折り目にひもを張る。出来上がった大きな四角形の面積を測るために登場したのは新兵器…

面積測定ロボット MUHO−MATSU!

要は無法松がロボット風な格好で登場した。段ボールで体を作ったその姿…「欽ちゃんの仮想大賞」だったら即失格でしょう。やはり何の役にも立たず結局はコマ大おなじみの「目分量」で面積を測った。

 残り二組の状況ですが、「秒殺シスターズ」衛藤、伊藤の東大生コンビは久しぶりの「秒殺」ぶりを発揮。即座に答えを出した。そして一言…

別の解法いっちゃう…

一方マス北野もすぐに答えを出したが、どうやら違う模様。おなじみの(?)カンニングをするものの別の答えは出せなかった模様。

 私も先ほどの続きとして残りの三角形CDFの面積を考える。∠CDF=22.5°、つまり45°の半分…これは強攻策「半角の定理」を使うのかな?この定理を使って出した答えはご覧の通り。

四角形ABCDの面積100√2
三角形AECの面積50
三角形DCFの面積5√10+5√2
以上より
四角形BCDFの面積95√2−50−5√10

およそ68.579平方cm…解説の中村先生の「答えは意外な値です」という一言からすると、この答えは間違っている。しかし考え直す時間もないまま終了。それでは各組の解答です。

コマ大チームの答え49.89平方cm検証の測定結果。「しくはっく(四苦八苦)」
のダジャレつき。お後がよろしいようで?
マス北野・ポヌ
チームの答え
75√2−50
(マス北野)
70.2(ポヌ)平方cm
四角形を2つに分けて考えた
東大生チームの答え50平方cmBF、CFの長さを求めてから面積を求めた。

 3組の解答の中では東大生チームの「50平方cm」がきりが良いので正解かと思った。しかし、図を見た感じもう少し大きそうな感じが…

正解…50平方cm。東大生チーム正解!

私の目測はやはり当てにならない…それはともかく、東大生の解答はご覧の通り。


その後中村先生の解説を見て「あっ!」と思った。


長方形の左に線を伸ばして考えると簡単に答えが出てくるわけだが、私は下に線を伸ばして考えていった。ま、これでも答えが出せるわけだがかなり難しい。

 今回は文句なしで東大生チームにコマ大フィールズ賞が渡った。さて、なぜ私の計算で「√10」という謎の値が出てきたのか。改めて見直すと…

DC:FC=1:xと置くと、xは

x^2+2x−1=0

が成り立つこれから x=√2−1となるはずなのに
x=√5−1となってしまった。

 相変わらずの凡ミス…

お後がよろしく…はないです。


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「魔方陣(8/21)」

 「8月に入って夏真っ盛り…」というコメントで始まったコマ大。予想通り「この番組は8月7日に放送されたものです」という字幕が出てきた。「マス北野は若い頃夏になると遊んでいたのでは…」というタカさんの質問に怒るマス北野。今の芸人のように大学を卒業したり、養成所で腕を磨くこともなく、実践で腕を磨きスターになったため夏の楽しみもたけし軍団を連れて沖縄に行きおまけにゴルフを買わされた、ということ。いやはやご苦労様です。

    
 10  8
 9  7 
 15  1

問題:四角に1から16までの数字を一つずつ入れ、縦・横・対角線の4つの数字の和が等しくなるようにしなさい。またこの魔方陣の特徴をできるだけ挙げよ。

今回もまたまたシンプル

 コマ大の挑戦。今回は特別スポンサーが登場!それは「タイガー魔法瓶」 …ん?「魔方陣」だから「魔法瓶」か?…さすがにあいた口がふさがらなかった。検証方法は普通に問題を解く、という正攻法。しかし、タイガーさんの広報の方も参加し、解答できれば新商品の宣伝ができる。
 いち早く魔方陣を完成させたのは〆サバアタル。広報の人、残念。しかしこの後の魔方陣の特徴さがしで活躍し、見事に新商品の電気釜…古いな…IH炊飯ジャーの宣伝をした。

 今回はいたってシンプルな問題であって、マス北野・ポヌチーム、東大生チームは即座に魔方陣を完成。問題は後半の「特徴探し」私も数字を埋めていく。とりあえず各列の和が34になることが分かるので左上のマスに「16」が入るのが分かる。次に下の列と左の列のそれぞれ2マスにどの数字が入るかを考えると次のようになる。

16   
5,4,310  8
 9  7 
4,5,61514,13,12 1

3つの可能性がある。

「一つずつ調べよう」と考えて最初の場合で数字を入れていくと…

16 3 213
 51011 8
 9  6 712
 41514 1

できた!

 次は「特徴探し」…と考えたいところだが、これも4×4の魔方陣についてはよく知られていることである。

16 3 213
 51011 8
 9  6 712
 41514 1
16 3 213
 51011 8
 9  6 712
 41514 1
16 3 213
 51011 8
 9  6 712
 41514 1

同じ色の4つの数字を足し合わせても34(各列の和)になる。
最後の色分けは縦に分ける方法でも和が34になる。

 今回は余裕のよっちゃん(古い!!)でテレビを見ていた。東大生とポヌさんのフランス語の会話に登場したゾマホンさん。久しぶりにゾマホンさんを見た。以前「ここが変だよ日本人」という番組に出て日本のあれこれを批判していたが、まだ日本にいるんだな…

 考える時間も終わりかけたときに東大生の状況を戸部アナが伝えた…

「もう一つ別の魔方陣も完成しました」

えっ!!もう一つ答えがあるの…ともう一つの魔方陣を探す間もなく終了。

 今回は全員が同じ答えとなった。しかし東大生チームのみ2つの魔方陣を求めた。

16 3 213
 51011 8
 9  6 712
 41514 1

16 5 211
 31013 8
 9  4 714
 51512 1

いずれも正解!

この魔方陣の求め方は各列の和が34になる、そして同じ数字が現れないようにする、という2つの条件から求めていく…ま、ほぼしらみつぶしのようなものです。

次にこの魔方陣の特徴としてどのようなものがあるか私が上で挙げたような特徴のほかに次のような特徴が出てきた。

 というわけで2つの魔方陣を見つけ、多くの特徴を見つけた東大生チームにコマ大フィールズ賞が渡った。コマ大の検証で登場した炊飯器を気に入ったマス北野「タイガーの皆さん、マス北野においしいご飯を是非とも食べさせてください」とダンカン部長の一言…

炊飯器ぐらい買いなさい!

 コマ大のDVDを中古が出るまで待つ私が言う権利はないな…


数学とクイズでくつろいで数学の部屋「コマ大数学科」に挑む「コマ大数学科」に挑む・08年8月


「コマ大プレイバック…1、2回目(2006/4/13-4/20)」

 コマ大が放送100回を迎えました。福岡でも100回記念の放送がありましたが2週連続の構成になっているため、前後半2週分を来週まとめて掲載いたします。
 そこで今回は久しぶりの「コマ大プレイバック」…思い切りプレイバックしまして、コマ大が番組開始当初どのような問題を出していたかを見て行きたいと思います。
(9/3 追記:おなじみガスコン研究所の内容を参考に書いています。感謝、感謝。)

 「第1回…フィボナッチ」


問題:15段ある階段を1段上る方法と2段上る方法を
組み合わせた上り方は何通りあるか?

 …至ってシンプルですね。今でもシンプルな問題が出てますが、「フィボナッチ」という言葉を知っている人はこの問題を見てすぐに答えが出てくると思います。

 問題の簡単な例として3段の階段を上る場合を考えると

以上3通りあります。このような上り方を15段の場合で数えると…というのが問題。「フィボナッチ」とくれば「フィボナッチ数列」…これはどのような数列かというと  ただこれだけです。そうすると「1,1,2,3,5…」と小学生でもドンドン数列を作っていくことができます。今回の問題との関係は…

「15段の階段で上の条件で上る方法の数はフィボナッチ数列の16番目になる」

なぜこのような関係があるかというと15段上りきる最後の上り方を見ると… ということは15段の階段で上の条件で上る方法の数は13段、14段それぞれを上の条件で上る方法の数の和になります。では13段、14段についてはどのように計算するかというと、同じように1段、2段少ない階段の上り方の数の和になります…これを繰り返して計算ができます。

 そして出てきた答えは「987」。ちなみにコマ大は実際に15段の階段を上り下りして検証。検証時間は10時間以上!!!…24時間テレビも驚く検証。その甲斐あって正解。マス北野も正解したものの東大生は間違えた、とのこと。

 「第2回…モンテカルロ法」

問題:10分間のファッションショーで水着のモデルが1分間登場する。カメラマンは1分間だけそのファッションショーに入場できる。
 水着のモデルがいつ出るかわからないとき、水着のモデルを撮影できる確率はいくつ?

 先ほどと打って変わって「コマ大らしい」問題となった。でもしっかりとした数学の問題。「モンテカルロ法」とはランダムに数値を入れて条件に当てはまる確率から様々な値を求める、というやや雑な方法。正方形に内接する円の面積を求める方法が有名です。

 コマ大の検証はまたまたシンプルに10分間のファッションショーを開催。1分間だけ入場して水着のモデルを撮影できた回数を数えた。

 私も頭の中で計算をしてみた…「なんで紙に書いて計算しないの」とお思いの方。私、確率の問題は「サイコロを振って…」のように回数を規準に確率を求めるのは計算できるのですが、この問題のように時間を規準に確率を求めるのが苦手なのです。

さっぱり分かりません

とりあえずこのように考えてみました。