数学とクイズでくつろいで数学の部屋「コマ大数学科」に挑む「コマ大数学科」に挑む・08年10月

「コマ大数学科」に挑む・08年10月

最終更新日2008年11月3日

フジテレビで深夜に放送されている「コマ大数学科」の問題に解く様子をご紹介します。数学をやってきたので簡単に解ける…と思ったものの…その奮闘振りをお楽しみに。なお、福岡での放送は二週間遅い模様です。そこら辺はご勘弁を。

「コマ大番外編…平成教育委員会SP(8/31)」
「コマ大プレイバック…正方形(7/31)」
「スパイラル正方形(10/31)」

ご意見がありましたらtfujisaki2006@yahoo.co.jpまでお願いします。


「コマ大番外編…平成教育委員会SP(8/31)」

 マス北野こと北野武さんが先生を務める番組「平成教育委員会」…って改めていうものでもないですが、8月に3時間のスペシャル番組が放送されました。その中の「給食」の時間の問題をご紹介したいと思います。いつものように私の奮闘振りもお伝えします。

 「平成教育委員会」のスペシャルで登場する給食は高級店の料理が出される。しかし出題される問題に答えられないと食べられない…今回はこのような問題が出題された。



問題:図の○の中に1から7までの数字を入れ、直線で結ばれた3つの数字の和(全部で5列ある)が全て等しくなるとき、赤い丸に入る数字と等しい和を答えなさい。
(丸の中の文字は後の解説のために入れています。)

 この問題を見て、私はピ〜〜ンとひらめいた「もしかしたら丸の中に全部数字を入れなくても答えは解けるのではないか」…しかしどのようにすれば数字を入れずに赤い丸に入る数字と等しい和が求められるか、まではひらめかなかった。

私のひらめき、終了

 テレビでは編集上とはいえ次々と正解者が出てきている。仕方ないので一つ一つ数字を入れて考えた。しかし一つ手がかりがあった。縦に3つの丸、そして両端の斜めの3つの丸には赤丸の数字が共通して入っている。この3列の丸の和が全て等しいということは、各列の赤丸以外の2つの数の和が等しい、ということが分かる。式で書くと

B+E=C+F=D+G

ということが分かる。1から7の中の6つの数字で上の式が成り立つ可能性として次のものを考えてみた(2つとも残りの6つの数がどこに入るかは不明)

A=1,2+7=3+6=4+5


A=7,1+6=2+5=3+4
(矢印で結んだ数を一組で考える)

というわけでそれぞれ入れて確かめてみた。



ん〜〜どっちも違う。

ここでマス北野、いや、たけし先生からヒントが出された。

3つの丸の列は全部で5列あります。全ての列を足し合わせると赤い丸の数字が3回、残りの丸の数字が2回使われています… (5つの列の和は 3×A+2×(B+C+D+E+F+G)となる)

それは分かっているの…
それをどう使えばいいの…

 私にとっては決め手のヒントではなかったようだが、これでまた正解者が増えた。私は仕方なく赤丸に2を入れて考えていた…これも違った。完全にはまってしまった。次に赤丸に3を入れる…とそこで再びたけし先生のヒント。

1から7までの数を全部足すと28。それを2倍すると56。
3つの丸の列は全部で5列あるので、5つの列の合計は5の倍数になります。

(先ほどの5列の和を A+2×(A+B+…+F+G) と書き直して、これが5の倍数になる場合を考える)

…なるほど。ということは「56+赤丸の数」が5の倍数になるわけなんだな…そうなるためには赤丸には…

分かった!!…と思った瞬間終了…

解答はご覧の通り。

5つの列の和はA+2×(A+B+…+F+G)と書くことができる。AからGは1から7が一つずつ入ることからこの和はA+2×28=A+56となる。

一方5つの列の数字の和は全て同じであるため
A+56は5の倍数でなければいけない。

Aが1から7のいずれかでA+56が5の倍数になるのはA=4の場合のみ。このときの各列の和は
A+56=60を5で割った12となる。

実際図のように数字を入れて各列の和が12になるようにできる。

 この数の組み合わせ…忘れていた。⇒⇒⇒⇒⇒⇒

かくして私は「給食を食べられない」組に入ることとなった。いいところまでいきながら答えを出せなかったのは本当に悔しかった。しかしもう一つある考えが浮かんだ…

これはネタになる。

というわけでこの場で今回の問題を紹介する運びとなりました。皆さんは給食を食べられましたか?


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「コマ大プレイバック…正方形(7/31)」

 コマ大プレイバックは今年の7月に放送された「正方形」の回、中村先生の解説の中でたくさんの四角形の図と英語の表記が書かれていました。ここで簡単にですが解説を加えます。

 以上が解説で出てきた四辺形の紹介でした。これらの四辺形を線でつないだ図がありました。あの図は線の上にある四辺形は下の四辺形の性質を必ず持つ、という関係です(図が大きくてごめんなさい)

例えば「台形」と「平行四辺形」が線で結ばれています。これは「平行四辺形であれば台形である」という関係を表しています。しかし「凧型」と「台形」は結ばれていません。これは「凧型ならば台形とは限らない」つまり「凧型でも台形でないものがある」ということを表しています。

 というわけで、簡単にですが各四辺形の説明終わります。

図を作るのは簡単ではありませんでした。

 実はある四辺形を描くときに大変苦労しました。くわしい話はまたの機会に紹介します。


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「スパイラル正方形(10/30)」

コマ大、お帰りなさい

いや〜〜待ち遠しかった。さすがの私も1ヶ月以上コマ大がお休みだとちょっと気の抜けた感じがしました。先日の「総集編」の回で「次回放送は10月22日」と書いてあったものの放送はなかった。ひょっとしたら福岡での放送は無くなったのでは…という一抹の不安もあったが、どうにか次の週に放送が始まった。

 ま、そんな私の焦りを知らずに、いつものように問題が出題。

問題:一辺が10cmの正方形の対角線に沿って図のように新しい正方形を重ねていく。これを11回繰り返してできる図形の面積を求めなさい。

 いつものようにビデオに撮って朝見ていたが、撮ったビデオテープが古かったため最初の部分の音が入っていなかった。たまたま見ていた家族からの話によると、この放送の収録の前にマス北野は「クイズ$ミリオネア」の収録があり、一千万円の問題を落としたとのこと。ちょっと待って「コマ大」の収録は3本撮りだろ…撮り終えたらマス北野、体重が5キロぐらい落ちるんじゃないか…

 話を元に戻して、今週の問題。いつものようにコマ大の挑戦からスタート。コマ大は控え室でこの問題を渡される。「問題どおり紙を重ねていけば…」という言葉から控え室で問題の通り紙を重ねていく。しかし恐るべしスパイラル正方形。10枚目には控え室と同じ広さの紙になってしまった。こんな大きな紙、どこに売ってあるんだ?仕方なくスタジオのある建物の屋上で11枚目を重ねる。新聞紙を貼り合わせて作った11枚目…と、ここで雨の警報が出たとのこと、肝心の面積はスタジオで計測。

 東大生はおなじみ「秒殺シスターズ」衛藤・伊藤ペア。この問題を見た瞬間「ひょっとしたら秒殺で解答」と思ったとおり即座に答えを出した。マス北野も計算式は出した模様。頭脳労働のマス北野、肉体労働のポヌさんの連係プレー(?)で答えを出した。

 さて私も計算を始める。紙の上でどのような形になるか書いていくが、コマ大の控え室のように途中で外にはみ出てしまう。途中から前の正方形が下に隠れてしまうが隠れた部分の面積は考えない、とのこと。ということは面積は途中からの正方形から計算すればよい、ということが分かる。紙には書ききれないため頭の中で11枚重ねた完成図を考える。



こんな形になるはず

後は計算…

1枚目の正方形の面積は100平方cm

4枚目の正方形の面積は1枚目の正方形の8倍になるため面積は800平方cm
これから上の図の4枚目の正方形の見えている部分の面積は400平方cm

5枚目以降の正方形の見えている部分は面積が2倍ずつ増えるため、全体の面積は…

400+800+1600+3200+6400+12800
 25600+51200=102000平方cm

何だか切りのいい数が出てきた。これが答えだろう…ただ何か足りない感じがする。番組では東大生の意外な一面を披露。伊藤さんは意外と筋肉質とのこと。ま、バスケットをしているみたいですから筋肉がつくのも無理はないですね。一方衛藤さんは山登りで疲れなかった、という話からスタミナがあるとのこと。100回記念のセリーヌディオンの歌を聴いていると何となく納得する。

 そんな話を聞いているときに自分の間違いに気が付いた。



4枚目の正方形は11枚目の正方形に隠れる…確かにそうだよな。

しかし、間違いに気が付いても焦りも何もなかった。これが1ヶ月のブランクの影響なのか、単なる私の性格なのか… 各組の解答は次のようになった。

コマ大の答え14.5285 平方メートル計測の結果。継ぎはぎのテープで
「アキレスと亀」の宣伝をする。
マス北野・ポヌ組の答え153550 平方センチ10枚目までの正方形の半分と
11枚目の正方形の面積の和
東大生の答え152800 平方センチ上の図の面積を計算

各自値は違うものの 150000 平方センチ(= 15 平方メートル)の値に集まった。

正解…152800 平方センチ、東大生見事正解。

 東大生は正方形と三角形を順次計算して、面積を出したが、中村先生の解説では別の面積の出し方が話された。



上の図のように並べ替えると緑の大きい3つの三角形から小さい三角形(点線)の部分を引けば良い。
緑の大きい三角形は11枚目の正方形の半分、そのため面積は51200平方cm。取り除く小さな
三角形は5枚目の正方形の半分、そのため面積は800平方cm。そうすると答えは

51200×3−800=152800平方cm

上の解説の図を作りながら気が付いたが、1枚目から順に大きい正方形を作るよりも11枚目の正方形から順に小さい正方形を作れば紙の中におさまる図が 描ける。

 今回は問題なく東大生、秒殺シスターズにコマ大フィールズ賞が渡った。正方形を並べる図を落ち着いて描けばよかった、と悔やんでも仕方ないが、それよりも悔しかったのが

たまたま見ていた家族が正解を出したこと。

…まだまだ修行が足りませんね。


数学とクイズでくつろいで数学の部屋「コマ大数学科」に挑む「コマ大数学科」に挑む・08年10月