数学とクイズでくつろいで数学の部屋「コマ大数学科」に挑む「コマ大数学科」に挑む・09年3月

「コマ大数学科」に挑む・09年3月

最終更新日2009年5月5日

フジテレビで深夜に放送されている「コマ大数学科」の問題に解く様子をご紹介します。数学をやってきたので簡単に解ける…と思ったものの…その奮闘振りをお楽しみに。なお、福岡での放送は二週間遅い模様です。そこら辺はご勘弁を。

「魔法使い(3/4)」
「アインシュタインPart2(3/12)」
「王様と城(3/19)」
「マジシャン(3/26)」

ご意見がありましたらtfujisaki2006@yahoo.co.jpまでお願いします。


「魔法使い(3/5)」

 今回はさっそく問題

問題:魔法A,魔法Bを使える魔法使いがいます。

魔法Aは「全てのイチゴ」それぞれを「イチゴとバナナ」に変える。
魔法Bは「全てのバナナ」それぞれを「イチゴとバナナ」に変える。

今イチゴとバナナが1個ずつある状態から魔法A,魔法Bを何回か かけたところイチゴが15個、バナナが877個になった。二つの 魔法は合計何回かけたでしょう。
(「イチ・ゴ」だから15個、「バ・ナ・ナ」だから877個…という ダジャレは分かりますよね)

まずは問題を書く。

前回、前々回の反省をふまえてビデオを止めて問題を書いた。

問題はこんな風に書いた。

これでいいんです。

 コマ大チームが検証で向かったのは…前々回「内角の和」でお世話になったビーズ専門店。店長の恋の魔法にかかったダンカン部長。ふたたび店長の所へ…と渡されたのは赤と黄色のビーズ。これを使って検証、とのこと。

 渡されたビーズを増やすため魔法をかけるコマ大チーム。しかし魔法ではなく面白いギャグをいうと増えることを発見。面白いか面白くないかはともかくギャグを出せるだけ出して問題を解いたコマ大。ところで

魔法A、Bに分けられるギャグの規準は何だ?

 ビーズで「I love you」と書いたTシャツを見せたが、「ごめんなさい」のお返事。当たり前といえば当たり前ですが、よくできたTシャツでした。

 本題に戻ります。私はこの問題を最初見たとき、イチゴもしくはバナナが一個だけ魔法にかかる、と思っていたら、そうではなかった。その場にあるイチゴもしくはバナナ全てに対して魔法がかかるわけである。それに2つの魔法をかける順番によって結果も変わることに気が付いた。

魔法A、魔法Bの順番にかけたとき

イチゴ1個
バナナ1個
⇒⇒魔法A⇒⇒ イチゴ1個
バナナ2個
⇒⇒魔法B⇒⇒ イチゴ3個
バナナ2個

魔法B、魔法Aの順番にかけたとき

イチゴ1個
バナナ1個
⇒⇒魔法B⇒⇒ イチゴ2個
バナナ1個
⇒⇒魔法A⇒⇒ イチゴ2個
バナナ3個

これは時間がかかりそうだ…と私が思案しているときに久しぶりの「秒殺」を見せた東大生・秒殺シスターズ。ちょこっと計算してすぐさま答えを書いた。終始笑顔。一方苦戦しているのはマス北野。これまでの神がかり的なひらめきから一転。計算をしても答えを見つけられず。ついにはポヌさんの妖術(?)頼み。「神も魔法には勝てないか」…おれも良いフレーズ考えたな。

 私も簡単な計算法は見つからず。仕方ないので先にイチゴを15個にして、あとは魔法Bをたくさん使ってバナナを増やす方法を考えた。

イチゴ1個
バナナ1個
⇒魔法Aを
6回⇒
イチゴ1個
バナナ7個
⇒魔法Bを
2回⇒
イチゴ15個
バナナ7個
⇒魔法Aを
58回⇒
イチゴ15
バナナ877

残り1,2分でこの計算を完成。「6+2+58=66回」の答えが出るとほぼ同時にTIME UP。今回はダンカン部長の恋物語に時間をとったせいか、コマ大のギャグも東大生情報もなく時間が来た。各組の解答はご覧の通り。

コマ大チーム212回検証の結果。しかし面白くなくて増えなかったギャグも含む
マス北野
ポヌチーム
45回いくつか計算をしたが分からなかった。
東大生チーム66回魔法をかける順番の最後の方から考えた。

 残り数秒で答えを出し、確かめもしなかった私だったが、東大生チームと同じ答えだったので思わずガッツポーズをした。

正解…66回。東大生チーム見事正解。

 私も大喜び。考え方は私や東大生チームの考えと同じである。

  • 魔法Aをかけると全体のイチゴの数は変わらず、バナナの数は「イチゴの数」と同じ数だけ増える。
  • 魔法Bをかけると全体のイチゴの数は変わらず、バナナの数は「イチゴの数」と同じ数だけ増える。
つまり魔法をかけた後にバナナの数が多ければ魔法Aを、イチゴの数が多ければ魔法Bをかけたことになる。このことから最後に魔法Aをかけたことが分かる。その後もバナナの数がイチゴの数より少なくなるまで考えていくと

イチゴ
15個
バナナ
877個
 魔
←法←
 A
イチゴ
15個
バナナ
862個
 魔
←法←
 A
イチゴ
15個
バナナ
847個
…… イチゴ
15個
バナナ
22個
 魔
←法←
 A
イチゴ
15
バナナ

ここまで58回魔法Aをかけた。ここでイチゴの数がバナナの数より 多くなったので今度は魔法Bを使ったことが分かる。以降も考えていくと

イチゴ
15個
バナナ
7個
 魔
←法←
 B
イチゴ
8個
バナナ
7個
 魔
←法←
 B
イチゴ
1個
バナナ
7個
イチゴ
1個
バナナ
7個
 魔
←法←
 A
を6回
イチゴ

バナナ

合計66回となる。

 この後、今回の問題が最大公約数を求めるときに使われる「ユークリッドの互除法」に似ていることが話された。

ユークリッドの互除法:
2つの自然数の最大公約数を求めるときに使われる方法。
  • 2つの自然数の大きい数を小さい数で割り、その余りを求める。
    (上の15と877の時「877÷15=58 余り 7」となる。)
  • 余りが0でないとき、先ほど「割った数」と「余り」に対して上の
    割り算を行い、再び余りを求める。この割り算を余りが0になるまで繰り返す。
    (上の続きを行うと「15÷2=7 余り 1」「2÷1=2 余り 0」となる。)
  • 余りが0になったとき、最後に「割った数」が始めの2つの自然数の最大公約数になる。15と877では1が最大公約数になる。
 今回の問題ではこの割り算を行ったときの「商」の合計−1が魔法をかけた回数になる。

 このことは東大生の解説を聞いているときに何となく気付いていた。今回は見事正解を出した東大生チームにコマ大フィールズ賞が渡った。私も久しぶりの見事な正解で嬉しかった。ただ、東大生チームとは違い、考えに考えて時間ぎりぎりで答えを出した。東大生の「秒殺」ならぬ。

「残り秒殺」

お後がよろしいようで?


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「アインシュタインPart2(3/12)」

 テーマがアインシュタインということで尊敬する偉人の話から始まったコマ大。悩殺シスターズ小橋さんは功績から「シュバイツァー」、生駒さんは顔から「キルケゴール」を挙げた…ま、人それぞれですからね。ちなみにキルケゴールは「死に至る病は絶望である」という言葉で有名。ウルトラクイズの問題でも出ていた。一方マス北野は「間寛平」??ま、あの人もある意味「偉人」というよりか「異人」かも?

今回も問題を書かないと…

問題:5軒の横並びの家がある。異なる屋根の色であり、住んでいる5人は異なる国籍を持ち、異なる飲み物を飲み、異なる髪形をして、異なるペットを飼っている。彼らについて次のことが分かっている。
  1. イギリス人は赤い屋根の家に住む。
  2. スウェーデン人は犬を飼っている。
  3. デンマーク人は日本茶を飲む。
  4. 緑色の家は白色の家の左にある。
  5. 緑色の家に住む人はコーヒーを飲む。
  6. 坊ちゃん刈りの人は鳥を飼っている。
  7. 黄色の家に住む人はリーゼントである。
  8. 中央の家に住む人は牛乳を飲む。
  9. ノルウェー人は端の家に住む。
  10. 金髪の人は猫を飼っている人の家の隣に住む。
  11. 馬を飼っている人はリーゼントの人の家の隣に住む。
  12. パンチパーマの人はビールを飲む。
  13. ドイツ人はスキンヘッドである。
  14. ノルウェー人は青色の家の隣に住む。
  15. 金髪の人は水を飲む人の家の隣に住む。
 このとき魚を飼っている人はどこの国の人でしょう。

長いよ!

 アインシュタインが出題し、98%の人は解けなかった、という逸話を持つ問題をアレンジしたもの。さすがにアインシュタインの頃にパンチパーマはなかっただろうし、「坊ちゃん刈り」という言葉があったのか…それはともかく問題を書こう。

私のメモはこんな風だった。「スゥ」はスウェーデン、「ノル」はノルウェー、「デン」はデンマークのこと

 問題を書くように心がけていても忘れてします。しかし今回は別。簡単に式の形で書いてみた。ビデオを止めて書いたものだからはじめ「鳥」と「馬」の区別がつかなかった。しかも「隣」はカタカナ。挙句の果てに問題の最後は「どこの国の『入』」と書く始末。ともかく解ければいいんです。

 コマ大の検証はまず何よりも外国人を集めなければいけない、ということで外国人のエキストラを紹介する事務所に向かった。しかし問題に出てくるデンマーク人やスウェーデン人のエキストラを使うにはギャラが高い、とのこと。交渉もむなしく断念したコマ大。
 仕方なくいつものように自分達で問題を解いていく。国旗の書かれたTシャツ、色を塗られた段ボールの家、飲み物の器、髪型のかつら、そしてペットのぬいぐるみ。4人の力をあわせてコツコツと問題に挑むが答えは見つからず。ついにこの問題「宿題」としてダンカン部長が紙に書いて解いてくることに。

 この問題、あれこれパズルを解いてきた人にとっては超有名な問題です。ただアインシュタインが作った、ということは知りませんでしたが。とりあえず条件を満たすように表にしてまとめると…

左←
→右
ノル??????
????牛乳????
リーゼ????????
????????

 ん〜〜何か違うかも。もしかしたらノルウェー人は一番右の家に住んでいるのか?と改めて書き直した。

左←
→右
????デンノル
ビールコー牛乳
パンチ????金髪リーゼ
??????

 ん〜〜これも違うかも…先週に引き続き苦戦しているマス北野、そして余裕の東大生。私は答えを出せずに時間が来てしまった。各組の答えは…

コマ大チームドイツ人ダンカン部長が1時間悩んで出した答え。
東大生チームドイツ人表を作って考えた。
マス北野
ポヌチーム
アゼルバイジャン??降参、とのこと

 果たして正解は…

正解…ドイツ人…コマ大、東大生チーム正解!

 実は私が最初に考えた「ノルウェー人が一番左の家に住んでいる」という仮定が正しかった。なぜ上の表のように埋まった、という話も含めて解説。

まず始めに5軒の家を基準にして表を埋めていく。
  • 8,9、14番目の条件からノルウェー人、牛乳、青の家の位置が決まる。
  • 4,5番目の条件から緑の家、白の家、コーヒーの関係が決まる。すでに色が決まっている家があることからこれらの位置も決まる。
  • 1番目の条件から家の色と国籍が決まっていない中央にイギリス人が赤の家に住んでいることが分かる。
  • 左←
    →右
    ノル??????
    ??
    ????牛乳コー??
    ??????????
    ??????????

  • 残った一番左が黄色の家になることから、リーゼント、馬の位置が分かる。
  • 3、12番目の条件から日本茶、ビールを飲む人は青か白の家に住んでいることが分かる(まだどちらの家に住んでいるかは不明)
  • このことから水を飲むのはノルウェー人であることが分かり、その隣に金髪の人が住んでいる。
  • 左←
    →右
    ノル??????
    ビールか
    日本茶
    牛乳コービールか
    日本茶
    リーゼ金髪??????
    ????????

  • 先ほどの12番目の条件からビールを飲む人は白の家に住んでいることが分かり、日本茶を飲む人は青の家になる。
  • 後はなし崩し的に空いているマスが埋まっていく。これから後はがんばって埋めてください。
  • 左←
    →右
    ノルデンドイツスウ
    日本茶牛乳コーヒビール
    リーゼ金髪坊ちゃスキンパンチ
    ??

 そうするとドイツ人のペットのところが空いている。そこに魚が入り、ドイツ人が魚を飼っていることが分かる。

 私はいいところまで行ったもののやり直してしまったのが失敗だった。今回はダンカン部長の努力で正解を導いたが、スピード勝負で東大生にコマ大フィールズ賞が渡った。今回プチアタルチャンスでコマ大チームは表を使って考えた。これに似た問題はたくさんありますのでこれからも出題して欲しいと思います。できましたら…

問題文に「鳥」と「馬」を入れないでください。


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「王様と城(3/19)」

 テーマが「王様と城」ということで王様についての話から始まった。王様と結婚をしたいというとんでもない話を進める女性陣。そこから話はマス北野が「殿」と呼ばれるようになった経緯へ。たけし軍団から「師匠」と呼ばれるのが恥ずかしい、ということで少々冗談めいた「殿」と呼ばれるようになった、とのこと。それにしても話に出ていた「風雲たけし城」…懐かしいなあ。私はあの番組で元ボクシング世界王者、渡嘉敷勝男さんを知りました。

問題:城10個を城壁5列に並べていく。
しかし次の条件が必要である。
  • 城壁1列につき、ちょうど4個の城を並べる。
  • 城壁を越えなければ入れない城が1個以上ある。
このような城の並べ方を考えなさい。
(それぞれの城壁は直線として考えます)

 コマ大チームが検証で向かったのは「童友社」ここはプラモデルの会社で、とくに城の模型では国内ナンバー1のシェアを誇っているとか。解説の中村先生は知っていたとのこと。プラモデルにはあまり興味のない私は知らなかった。その会社の一室と、童友社の城の模型10個をお借りして検証を始める。

 しかし、適当に並べても答えはそうできない。まず何よりも「城壁1列につき、ちょうど4個の城を並べる」という条件を満たすように並べるのに一苦労。とりあえず城壁5列の並べ方から考えたところある程度形ができてきた。しかし、もう一つの条件「城壁を越えなければ入れない城が1個以上ある」がある。試行錯誤を繰り返し、仮想大賞に出てきそうな将軍の格好をした無法松がハリセンのお仕置きを受けながら、どうにか答えを見つけた。

 皆さんごめんなさい。今回はコマ大の検証の前に答えが出ました。

 左の図のように星型に並べると城壁1列につき、ちょうど4個の城を並べることができる(四角は城)
 しかし城が全部外に出ている。そこで城壁1列をちょっと動かして(左図の矢印)いくと、右の図のようになる。

余裕綽々でテレビを見ていた。マス北野も今回はひらめきが働き答えを導いた。一方ちょっと苦戦気味の東大生。そのとき、ふと思った。

答えは一つじゃないかも…

 そう思っていたところ。マス北野は別の答えを考えていた。私も他の答えを考える。今回は何故か余裕があった。さらに2つの並べ方も見つけた。

 まず、左の図の並べ方を見つけた。先ほどと同じように城壁を動かして右の図の並べ方を見つけた。

これも問題を書いたためだろうか。改めて

皆さんごめんなさい

 というわけで時間終了。 今回は様々な答えが出たが、各組1通り以上の答えを出した。

コマ大チーム下の図のCを見つけた検証の結果。2時間半かけて
やっとで一つ。
東大生チーム下の図のA,C,Dを見つけたこのほかに上の星型の並べ方も入れていたが
これは2番目の条件を満たさない
マス北野
ポヌチーム
下の図のB,C,D,Eを見つけた一つの城を囲む城壁から考えた。

Eの並べ方は城壁に囲まれた城が2個ある。ちなみに私の答えはA,C,Eにあたる。

 今回は見事全員正解。しかも答えの並べ方は上の5通りで全てである。並べ方は次のように考えれば見つけられる。

 まず、一つの城(青)が3列の城壁を持っていたら、各城壁に残り3個ずつ城を並べる必要があるため、10個の城全てを配置しなければいけない。このとき 他の城壁を作るためにはもう一つ城が必要になり、条件を満たさない。つまり全ての城は3列以上の城壁を持たない。

 各城壁の城を数えると5列×4個=20個。しかしこれはいくつかの城を重ねて数えている。もし1回しか数えられていない城があれば、城は10個しかないため、3回重ねて数えられている城がある。これは先ほどの「全ての城は3列以上の城壁を持たない」に反する。よって全ての城は2回重ねて数えられている、つまり全ての城はちょうど2列の城壁を持つ。

 少なくとも一つの城は城壁に囲まれなければいけない。そこで一つの城を3列の城壁で囲む。囲まれた城は2列の城壁を持つため、これで5列全ての城壁が使われる。

 あとは城を囲む3列の城壁と、中央の城が持つ2列の城壁の交わり方を色々調べると上の5通りの並べ方が全てであることが分かる。

 今回は5通りのうち4通りを見つけたマス北野チームにコマ大フィールズ賞が渡った。あと5分ほど時間があればマス北野は5通り全てを見つけられたかもしれません。

私は3通りで限界でした。

 ここしばらく東大生チームとマス北野チームが拮抗しています。次回も楽しみです。


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「マジシャン(3/26)」

 今回の問題は数学オリンピックに出された問題。おなじみの秒殺シスターズは「数学ジュニアオリンピック」(中学生が対象の数学オリンピック)に出場したことがある、とのこと。数学のポテンシャルは中学校の時からあったようです。でも、出場は誰でもできるのかな?

問題:あるマジシャンが次のような数当てのマジックをする。
  • お客さんにある3桁の数字(たとえば253)を決めてもらう。
  • 3桁の数字を並べ替えてできる6つの数のうち始めに決めた数以外の5つの合計を マジシャンに伝える。
    (253のとき、235+325+352+523+532=1967を伝える)
  • その計算結果から始めに決めた数を当てる。
いま、お客さんが「3194」と答えたとき、始めに決めた数はいくつでしょう。

 つまり、この手品の種を考えるわけである。

 コマ大チームは久しぶりにいつもの会議室からスタート。今回はマジシャンを呼んで問題のマジックの種をバラすことに挑む。登場したマジシャンは以前「マジック」の回で素晴らしいマジックの失敗を見せた、東京大学奇術愛好会の鈴木太朗さん。前回の失敗を克服するために日々練習を積み重ね、今回コマ大に再び登場した。

そんな暇があるなら勉強すれば

ジャグリングにのめりこんでいた私が言えたものではない。とにかく今回の問題のマジックを披露。コマ大チームが勝手に決めた3桁の数について問題の通りに5つの数の合計を鈴木さんに伝える。しばし考えた後、見事に初めの数を当てた。その後も何回か繰り返すコマ大。それに対して鈴木さんは他愛のない質問をコマ大にしたあと数字を当てていく。おそらく頭の中に「?」がたくさん並んでいたであろうコマ大。

 しかし肝心の種は…というとさっぱり分からず。おまけに「種を教えることはできません」と一言残し鈴木さんは帰ってしまった。仕方なくしらみつぶしに3桁の数を決めてから計算を始めたところ。どうにか答えが見つかった様子。

 私はしらみつぶしではなく、計算から答えを求めることを始めた。

始めに決めた数を「abc」(百、十、一の位の数がそれぞれa、b、cの数)とする。この3桁の数字を並べ替えてできる数字(abc自身も含む)を並べると、

abc、acb、bac、bca、cab、cba

この6つの数字を見ると「a」は百、十、一の位に2回ずつ出てきている。これは「b、c」についても同じ。 ということは、この6つの数字を合計すると

 a×222+b×222+c×222=222×(a+b+c)

しかし問題ではabc自身は合計に入っていないのでそれを引く。この計算結果が3194となるため、

222×(a+b+c)−(100×a+10×b+c)=3194

が成り立つ…

ここまではできたけど…ここで計算が止まってしまった。そうするといつもの嫌〜〜な予感が的中した。式を書いてあれこれ計算していた東大生チームが答えを書いた。ぬぬぬぬぬ!一方マス北野・ポヌチームも少々悩んでいたが答えを見つけた模様。私はいまだ計算が進まず「しらみつぶしにやるか」と思ったところで時間が来てしまった。

コマ大チーム358
東大生チーム
マス北野
ポヌチーム

 今回は見事に全員同じ答えとなった。正解はもちろん「358」。コマ大が計算できたので比較的小さい値とマス北野が読んだとおりだった。私が止まってしまった計算の続きは次の通りである。

222×(a+b+c)−(100×a+10×b+c)=3194

から(青の数字を動かして)

222×(a+b+c)=3194+(100×a+10×b+c)

という式が成り立つ。そこで3194に3桁の数を加えて222の倍数になるものを探すと

3194+136=3330=222×15
3194+358=3552=222×16
3194+580=3774=222×17
3194+802=3996=222×18

上の式から和を222で割った値は3桁の数の各桁の数字の合計と等しくなる。この条件が 成り立つのは

3194+358=3552=222×(3+5+8)

のみである。

 今回は全員正解であったが、やはり「秒殺」で東大生チームにコマ大フィールズ賞が渡った。 それにしてもマジシャン鈴木君の将来は大丈夫だろうか…


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