数学とクイズでくつろいで数学の部屋「コマ大数学科」に挑む「コマ大数学科」に挑む・09年4月

「コマ大数学科」に挑む・09年4月

最終更新日2009年5月19日

フジテレビで深夜に放送されている「コマ大数学科」の問題に解く様子をご紹介します。数学をやってきたので簡単に解ける…と思ったものの…その奮闘振りをお楽しみに。なお、福岡での放送は二週間遅い模様です。そこら辺はご勘弁を。

「オーバーハング(4/3)」
「距離(4/22)」
「鍵(4/30)」

ご意見がありましたらtfujisaki2006@yahoo.co.jpまでお願いします。


「オーバーハング(4/3)」

 「コマ大数学科」DVD第4弾が発売、という話から始まったコマ大。私もコマ大のDVDは第1,2弾を持っている(第1弾は誕生日にもらったもの。第2弾は自腹で買ったもの)早いところ第3弾も買いたいが、見る時間がない。その理由は漢字検定の勉強で…ということにしてください。

問題:長さ10cmの板状の積み木6枚を使って台の端からなるべく遠くにせり出すように置くためにはどのように置けばよいか。

 ただし、板の寸法、重さは全て同じものとする。

 この問題を見て「あの問題かな?」と思ったが「板は台の中のほう(せり出す側の反対方向)に置いてもよい」とのこと。最近の研究で最大どのくらいせり出すことができるか分かったらしい。ということは「あの問題」とは違うみたい…

 コマ大チームの検証。今回は「積み木」ということで某保育園に向かった。さっそく検証を始めるが保育園の子供達が集まって、とにかく積み木を乗せる。そう簡単に遠くにせり出すことはできないし、無理をすると崩れてしまう。遊ぶ子供達と検証したいコマ大チームの格闘(?)が続くがここで一休み。お昼ごはんを仲良く食べて、子供達はお昼寝。一方コマ大チームは検証の続き。検証時間4時間15分と久しぶりの長丁場となったがどうにか答えが出た。

 今回は実際に板を使ってマス北野チーム、東大生チームも問題を解く。遠くまでせり出したと思ったところで長さを計測。さて、私が最初考えていた「あの問題」とは何かというと…

長さ10cmの板6枚を順に積み重ねてなるべく遠くにせり出すように置くためにはどのように置けばよいか。

 という問題。これは計算をすると

となる(正直に書きますと、私この計算も間違えていました。上の正しい計算は解説からの抜粋です)しかしこの長さよりもっと遠くまでせり出すことができるとのこと。おまけにこの問題は以前「繰り込み」の回で出題されていた。
 私も板はないが紙の上であれこれ考えてみた。この問題は「遠くまでせり出す」ことも大事だが「崩れない」ということも大事。そのためには台の内側にある板の重さをなるべく重くする必要がある。あれこれ考えて…

 見るとやるとで大違いである。というわけで今回もギブアップ。板が欲しかった…各組の解答は次のようになった。

コマ大チーム14cm

マス北野・ポヌチーム14cm

東大生チーム13cm

 書くのが遅くなったが今回の東大生チームは(福岡では年始にあった)年末スペシャルで優勝した岡本・山田ペア。今回の問題は計算ではなく板を使って考えたためか、少々苦戦した模様。マス北野チームと同じ積み方だがせり出す長さが1cm足りない。果たして正解は出たのか?コマ大チームは始めの検証ではマス北野・東大生チームの置き方を考えたが、スタジオでもっと良い置き方を見つけた。

正解…14.367cm。正解者なし!

しかし板の積み方は

コマ大チームと同じ!!

 「分かっているようで分かっていなかった」と中村先生の解説。板6枚でも複雑ならば10枚、20枚になったら…と思ったら、30枚までは最大どれくらいの幅までせり出せるかが分かっているとのこと。しかし31枚より多くなると最大どれくらいの幅までせり出せるかはまだ分かっていない。私も数学に携わってきたが、つくづく思う。

数学って難しいものだよな…

 今回は最大の長さを作れなかったが、置き方が同じだったということで中村先生はしぶしぶコマ大チームにコマ大フィールズ賞を渡した。コマ大はしばしお休み。福岡でのコマ大2009年度は4月の終わりごろから開講の模様です。


数学とクイズでくつろいで数学の部屋「コマ大数学科」に挑む「コマ大数学科」に挑む・09年4月


「距離(4/22)」

 コマ大の2009年度の放送が始まった。コマ大は4年目に突入。東大生チームも、もちろん学年が進んだ。 今回は木村さんと小橋さんの特別ペアで登場。一方ポヌさんは3月に大学卒業。4月から東大の大学院に進んだ。これからはビザの更新など忙しくなるというこで今回でとりあえずコマ大は卒業となった。ポヌさんのはなむけを兼ねた(?)今週の問題はこちら。

問題:5×5のマス目の格子点上に6個のコインをそれぞれ距離が全て異なるように置いてください。

 蛇足だがページを作るときの変換にとんでもない変換が出てくることがある。上の問題を書くときも 「置いてください」は最初「老いてください」と変換された…考えればわかるだろ!とパソコンに突っ込む 今日この頃である。

 コマ大はポヌさんに日本の歌の問題。「春のうらら??川」に対して「春のうららのメコン川?江戸川?」とポヌさんの答え。最後の最後もポヌさんにお株を奪われた。そんなコマ大の今回の検証はおなじみのスタジオのある建物の屋上でシンプルに検証を開始。床に書かれた5×5のマス目の格子点上に6人が立ち、2人の間の距離をロープで測る。これを繰り返し問題の条件を満たす位置を見つける。改めて、実にシンプル。

 今回の問題はの中から出題された。いつものようにこの問題は知っていたが解いたことはなかった。マス北野・東大生の両チームはコインの代わりに磁石を置きながら考えた。東大生は同じ距離を作る箇所を消しながら磁石を置いていく。東大生チームは短い距離から考えていったが、私は一番遠い距離から考えた。

その考えに根拠は無かった。


ここまで置いたが、残り1個が置けない…

この置き方の場合、最後の一個が置けない。おそらく全チームとも最後の一個で悩んでいるのだろう。とここで竹内先生から救いのヒントが出された。  そのヒントでマス北野・東大生両チームともどうにか答えが出た模様。私も答えが出た。


これが私の答え、距離の確認は不十分でしたが…
距離を計算すると次の通りになりました。
(表の左と上の数字はコインの番号。
例えば1番と6番のコインの距離は√26、
ということです)

√26√41√5
√295√2√34√10
√172√52√2
√13

良かった良かった。残念ながら(?)各組の答えは私と同じ答えだった。コマ大チームは並べ方が違ったが裏返しにすると他の組の答えと同じになった。

 今回は(私も含め)全員正解。2009年度幸先の良いスタートである。では、肝心の解法…というと東大生が考えていたようにしらみつぶしに条件に合うような置き方を探す方法しかないようであった。上の図の置き方以外にもあるか否か…コンピュータに任せて調べたところもう一つ置き方があった、とのこと。


これがもう一つの答え
距離を計算すると次の通りになりました。

√26√29√41√5
√172√54√2√2
√13√103√2

ありがたき、コンピュータである。ポヌさんも自分で考えていたが条件に合う置き方は見つけられなかった。

 今週のコマ大フィールズ賞は早く答えを見つけた、という理由でマス北野チームに渡った。次回からマス北野は再び一人で東大生に挑むのでしょうか。それにしても今回、竹内先生…

ヒント出し過ぎじゃないですか


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「鍵(4/30)」

 今回は早速問題から。

例:長男、次男、三男の三人兄弟が次のように箱の3つの鍵を持っている。

このとき兄弟1人だけでは箱を開けることができないが、2人いればどの2人でも 箱を開けることができる。
(例えば長男だけではCの鍵を開けられないが、次男か三男がいればCを開けられる)

問題:長男、次男、三男、四男の四人兄弟が箱の鍵を何個かずつ持っている。 兄弟のうち2人だけでは箱を開けることができず、3人以上でないと開かないようにするには錠前は何個必要で、4人は鍵をどのように持てば良いのでしょうか。

やっぱりこの問題か…

実は先週のコマ大で「次週は『鍵』の問題」と書かれていたので、もしかしたら私の知っているこの問題かな、と予想していた。見事に予想が的中した。

皆さんごめんなさい。

今回はすんなり答えを見つけた、というわけで今回は番組の説明に努めます。

 「春の歌といえば」で「は〜〜るばる来たぜ函館」の「は〜〜」の部分でオチが分かってしまったコマ大。今回検証で訪れたのは渋谷にある「ロックアップ」という店、岩に見立てた壁で物々しい雰囲気。突然店の女性に手錠をかけられたダンカン部長。そして4人は監獄に監禁。ここは監獄をイメージした居酒屋でした。
 テーブルに置かれた箱と周囲にあるたくさんの鍵。問題の答えになるように錠前を付け、4人が鍵を持たなければ監獄から出られないことになっている。約2時間後苦心の末、答えが出た。ちなみに途中水の差し入れがあっただけで食事、お酒は一切なし、のコマ大チームであった。

 それにしても困った…

書く事がない。

 早く答えを出してしまったので、ゆっくりと朝刊を読みながらコマ大のビデオを見ていた(普段はビデオにとって朝早く起きて見ています)今回はやや簡単だった模様でおなじみの東大生「秒殺シスターズ」は少し計算して答えが出てきました。余裕のコマ大チームと東大生チーム。しかし一組、いや一人だけ苦戦していた。マス北野である。先週でポヌさんがコマ大を卒業したため、再び1人で問題を挑まざるをえなかった。地道に1個1個確かめるマス北野。さて答えは出たのか?各組の答えは次のようになった。

コマ大チーム錠前6個 鍵をA,B,C,D,E,Fとしたとき
長男:ABD 次男:ACE
三男:BCF 四男:DEF
と持たせる。
東大生チーム錠前6個 鍵をA,B,C,D,E,Fとしたとき
長男:ABC 次男:CDF
三男:ADE 四男:BEF
と持たせる。
マス北野錠前珍個? 長男:重一 次男:勝
三男:大  四男:武???

 マス北野は残念ながら降参だった。ポヌさんがいなくなっても今回はマスのひらめきで答えを出せるか、と思ったが無理でした。

正解…錠前6個!コマ大、東大生チーム正解!!

 両チームとも鍵の分配方法も正解であった。このあと中村先生が解説をしたが「こっちのほうが分かるかな?」ということで私なりの解説を…

例えば「長男、次男」で箱を開けることを考える。

2人では開けることができない →→→ 2人が持っていない鍵がある。

しかし「長男、次男、三男」で箱を開けることを考えると、

3人では開けることができる →→→ 三男は「長男、次男が持っていない鍵」を持つ。

同じように考えると四男も長男、次男の2人が持っていない鍵を持っている。

しかし三男、四男のそれらの鍵が違うものならば箱は開けることができない。ということは三男、四男の「長男、次男の2人が持っていない鍵」は同じものである。 これを全ての2人に対して考えると。

兄弟の各2人に対して、「その2人だけが持っていて、残り2人が持っていない鍵」が必ずある。

ということが分かる。このことから鍵の組み合わせは…

長男   
次男   
三男   
四男   

となり鍵は6本必要であることがわかる。ちなみにこの組み合わせの6本があれば新しい鍵を2人以上に渡せば問題を条件を満たす鍵の組み合わせができる。

次の組み合わせでもOK。
長男    
次男    
三男    
四男    

 今回は理論で攻めきった東大生チームにコマ大フィールズ賞が渡った。今回の問題は「数学パズル・20の解法」(中村義作、講談社)という本からの出題である。私も本屋でこのような問題の書かれた問題を見ることがあるが、最近中身を見ることを控えている。理由は

コマ大の問題に出てきそうだからである。

 解いた問題が出されたら面白くないのでできるだけ読まないようにしています。でも解いてもすぐ忘れるかもしれませんがね…


数学とクイズでくつろいで数学の部屋「コマ大数学科」に挑む「コマ大数学科」に挑む・09年4月