「コマ大数学科」に挑む・09年5月
最終更新日2009年5月19日
フジテレビで深夜に放送されている「コマ大数学科」の問題に解く様子をご紹介します。数学をやってきたので簡単に解ける…と思ったものの…その奮闘振りをお楽しみに。なお、福岡での放送は二週間遅い模様です。そこら辺はご勘弁を。「春の数学祭り(5/7)」 | ||
「カックロ(5/14)」 | ||
「ソ連の円周問題(5/28)」 | ||
「カックロ…問題の解答」 |
ご意見がありましたらtfujisaki2006@yahoo.co.jpまでお願いします。
問題:縦の長さ=7、横の長さ=6のビリヤード台があります。左上の出発点から45度の角度で玉を発射し、玉は壁に当たると45度の角度で跳ね返ります。玉がポケットに入るまで壁に何回跳ね返るでしょうか。
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マス北野と東大生チームはいつものように紙の上で計算をする。 問題文の「玉を発射する」っていうと、ミサイルでズドーン!というイメージを持ってしまうが、ま、意味は分かるからいいか。私は次のようにして答えを出した。
図のように玉の軌道を描くと、 赤丸の箇所が壁に跳ね返るところになる。全部で11回。 |
コマ大チーム | 11回 | 検証の結果 |
東大生チーム | 11回 | ビリヤードを大きく広げて跳ね返ることを 壁を通過することと考えて計算をした。 |
マス北野 | 11回 | 私と同じ法則から計算 |
正解…11回、全員正解!!
竹内先生の解説は東大生が考えた解き方と同じだった。ここでは6×7は大きいので3×4で解説を
ビリヤード台を広げて1辺が12(=3×4)の正方形を作る。 この正方形の対角線がちょうどビリヤードの玉の軌道にまた縦、横 の線との交差は壁に跳ね返ることに対応する。この対角線は途中で格子点を 通らないため縦の線を3(=4−1)回、横の線を2(=3−1)回交差する。 よって壁に跳ね返る回数は3+2=5(=4+3−2)回となる。 今回の問題も同じように考えると壁に跳ね返る回数は7+6−2=11回となる。 |
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この問題、竹内先生が「小学生でも解ける」と話していたことから、おそらく角度10度は必要ないのでは、と予想した。図形問題の定番「切って貼って」面積を計算しやすい形に変えることを考えてみた。
OBでこの形を切りOAとOCを合わせるようにすると底辺が8の直角二等辺 三角形ができる。これから面積は 8×4/2=16 となる。 |
簡単に解いてしまってすみません
さて東大生、マス北野の答えは…
コマ大チーム | イベントに参加していたため、この問題は解答せず。 | |
東大生チーム | 16 | 問題の形に直角三角形2つを付けて計算。 |
マス北野 | 16 | 問題の形を2つ付けると台形になるところから計算。 |
正解…16、やっぱり全員正解!!
ここで各自の解き方をご紹介。
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朝の7時ぐらいから始めたらどうですか?
お出かけ前の1問、とか言いながら…朝から疲れそうですね。数学とクイズでくつろいで<数学の部屋<「コマ大数学科」に挑む<「コマ大数学科」に挑む・09年5月
問題:5枚のカードの表(白)と裏(黒)にそれぞれ0から9までの数字を一つずつかかれています。この5枚のカードを横一列に並べて以下の条件が成り立つとき、最初に見えていた(表5つ)の数字を答えなさい。
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ちょっと前置きが長くなりました。本題に戻ります。高速道路が千円で乗り放題だから車を貸して欲しいというコマ大チームはプールで検証。「カックロ」ならぬ「シンクロ??」でプールの底に沈んである0から9のカードを5人が2枚ずつ取り条件に合うように表、裏を決める。計算の間ずっと潜っているため、全員息が続かず、天国行き寸前(別に「息」と「行き」をかけたわけではありませんよ)そんなとき水に潜っていたためか久しぶりのアタルチャンス!!あることに気が付いたため、それを手がかりに苦しみながらも答えを導いた。
今回もごめんなさい
今回もコマ大の検証を見ながら解き終えてしまいました。
・3番目の条件で5つの数字の合計は35。合計が35になる5つ数字は「5,6,7,8,9」の場合しかない(まだどの数字がどこに入るかは分からない) ・4番目の条件で5つの数字の合計は11。合計が11になる5つ数字は「0,1,2,3,5」の場合しかない(これもどの数字がどこに入るかは分からない) ・3、4番目の条件で、両方見えているカードは一番右の裏の数字。ここには上の2組の5つの数字に共通して入っている「5」しか当てはまらない。また一番右のカードの表は両方で見えていないので、ここには2組の5つの数字に使われていない「4」が当てはまる。
条件1の中央のカードについて
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コマ大チーム | 3,1,9,2,4 | 検証の結果。3番目の「合計が35」となるのは 「5,6,7,8,9」となることから導いた。 |
東大生チーム | 3,1,9,2,4 | 裏と表の数字を文字に置き換えて連立方程式を立てた |
マス北野 | 3,1,9,2,?? | 「合計が35」となるのは「5,6,7,8,9」
となることは分かっていたが時間が足らず。 |
正解は
3,1,9,2,4
(裏は6,8,0,7,5です)
コマ大チーム、東大生チーム正解!!
というわけで見事な理論攻めで答えを出した東大生チームにコマ大フィールズ賞が渡った。ポヌさんが卒業して一人で苦労しているマス北野。でも1勝2敗だからまだわかりません。なんでしたら…
ゾマホンさんを入れますか?
おまけ
「カックロ」とはどのようなパズルか。番組でも簡単に話していましたがここで簡単にルールを。
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「ソ連の円周問題(5/28)」
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「ヤ〜レン、ソ〜連、ソ〜連」と私が同時に歌うことができるほど定番のねたを披露した(?)コマ大チーム。今回は円の問題ということで久しぶりに「ラート師匠(ただの無法松です)」の登場。ラートに三角形の紙を貼り、点Pを決めながらMNが最大になる長さを探していく。ラートだけあれば検証ができるからラート師匠はいらないんじゃない、と思ったが、時に逆さまに時に横向きになりながらも耐えるラート師匠を見ていると、やはりラート師匠は必要だと感じた…
ある意味で
公園の片隅でラートをあっちへこっちへ転がし、1時間20分の検証時間で答えを出した模様。今回の問題。私も図を書いてあれこれ考えた。考えた結果「AB,ACから遠く離れたところの点」がMNを最大にしてくれそうであると思った。念のため極端な三角形の場合も考えた。
何となく最大の長さ… |
あっ!二つとも同じ点だよ
なんともお粗末でごめんなさい。なぜ二つとも同じ点になるかは中学校の数学の教科書を見て下さい。私はこの点を答えに決めた。マス北野と東大生・秒殺シスターズも今回の問題はやや苦戦。点の位置は何となく分かるが証明となると…という感じ。東大生のプチ情報は「今読んでいる本」伊藤さんはアインシュタイン、衛藤さんは代替医療(「代替医療」とは鍼灸やアロマセラビーなどの通常病院で行わない医療のこと)のいずれも洋書。さすが東大生。ちなみに私は大学生の頃、大学の図書館で「数学セミナー」のバックナンバーを読みあさっていました。
各組の答えは次の通りになった。
コマ大チーム | Aからへその辺りを通った線との交点 | 検証の結果 |
東大生チーム | 辺BCの垂直二等分線との交点 | 点Aから遠いほどMNは長くなる… しかし確信は持てず |
マス北野 | Aを通る直径との交点 |
直径を一辺とする三角形で説明 しかし他の三角形では確信が持てず |
正解…点Aと直径を作る点がMNを最大にする点
APを直径とする円を描くと、M,Nの2点はちょうどその円周の上にある。また「円周角の定理」(覚えていますか?)から
角MPN=角MAN=角BAC
角MON=2×角MPN=2×角BAC |
今回はぴったり正解した組はいなかったが「理由はともかく作図から」一番正解に近いコマ大チームにコマ大フィールズ賞が渡った。ラート師匠は昨年7月の「回転」に続いてコマ大フィールズ賞に貢献した。ひょっとしたら今年は…
ラートブーム到来か?
再びの登場を願っています。
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「カックロ…問題の解答」
コマ大の問題で「5つの数の和が35になるのは5+6+7+8+9の場合に限る」という解決の糸口がありましたが、他にもたくさんあります。いくつか紹介します。
書かれている数字と等しくする。
3=1+2 4=1+3 17=8+9 16=7+9 | 6=1+2+3 7=1+2+4 24=7+8+9 23=6+8+9 |
10=1+2+3+4 11=1+2+3+5 30=6+7+8+9 29=5+7+8+9 |
15=1+2+3+4+5 16=1+2+3+4+6 35=5+6+7+8+9 34=4+6+7+8+9 |
A,Bは8,9 A,Cは7、9が入る
ということが分かります。このことからAには二組の数字に共通して出てくる「9」が入り、B,Cもそれぞれ8,7が入ることが分かります。また下の「和が17の縦2マス」(矢印の列)はBに8が入ること、そして「同じ列に同じ数字が入らない」という規則から上のマスに9、下のマスに8が入ることが分かります。D,Eは1,3 D,F,Gは1,2,4が入る
ことが分かり、このことからDには「1」Eには「3」が入ることが分かります。F,Gについては2,4のどちらかが入るか分かりませんので一応両方書いておきます。これまでの経過をまとめると次のようになります。
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