「コマ大数学科」に挑む・09年11月
最終更新日2009年12月2日
フジテレビで深夜に放送されている「コマ大数学科」の問題に解く様子をご紹介します。数学をやってきたので簡単に解ける…と思ったものの…その奮闘振りをお楽しみに。なお、福岡での放送は二週間遅い模様です。そこら辺はご勘弁を。「交点(11/4)」 |
「ファレイ数列(11/11)」 |
「お見合い問題(11/18)」 |
「ダイアゴナル(11/25)」 |
ご意見がありましたらtfujisaki2006@yahoo.co.jpまでお願いします。
問題:立方体の箱に100本の輪ゴムをかけるとき、交点は最も多くて何個できるでしょうか。
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輪ゴム100本をかけるのは意外と時間がかかるようで、交代で作業を行い、残りはタイヤ公園で遊んだ。1時間半後どうにか箱に輪ゴムが100本かけることができた。で、肝心の「交点の数」はADに数えさせてコマ大チームはとっとと帰ってしまった。 交点は数え切れたのでしょうか??
竹内先生によると「簡単なのですぐに答えが出るのかも?」ということ。その予想通り、東大生チームは早々と答えを出した。マス北野も答えが計算が進んでいる様子。私も同じように計算が着々と進んでいる。
a=33, b=34 のときになる。これより c=33 となる。この3つの値を最初の式に代入すると求める交点の最大値は 6600 個となる。 |
各組の解答は次の通りになりました。
コマ大チーム | 4200個 | 検証の結果。おそらく30本と 70本の2方向にかけていた。 |
東大生チーム | 6600個 | 式を作って計算 しかし後で間違いに気付く。 |
マス北野 | 6666個 | 東大生と同じ計算法 後は力づくの計算、とのこと |
正解…6666個、マス北野正解!!
私も東大生も簡単な計算ミスで最後の最後に間違えてしまった。このあとの「ちょっといい話」は交点の話ではなく、ゴムの話になった。よほど話題がなかったんでしょうね。そしてコマ大フィールズ賞は文句なしでマス北野に渡った。放送を見た後、交点が最大になるかけ方の証明を考えてみた。いくつか思いついたがここでは帰納法を使った方法を御紹介します。
何本か輪ゴムがかかっている状態で新たに1本輪ゴムをかけて、交点を一番多く増えるときは…
加える輪ゴムと交わる輪ゴムの数が一番多いとき 逆に考えると加える輪ゴムと交わらない輪ゴムの数が一番少ないとき
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計算法をたくさん思いつくなら、正解を出せ
…確かにその通りです。
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「ファレイ数列(11/11)」
問題:ある線分の2等分点、3等分点、4等分点と順に新しい等分点にだけ印をつけていきます。15等分点に印を付けたとき、新たに増える印の数を答えなさい。
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あっ、あの数列のことか。
先週の予告で「ファレイ数列」と書かれてあった。どんな数列かな?と悩んでいたが、この問題を見て思い出した。どんな数列かは後ほど。
コマ大の検証は先週、先々週と続き、蒲田で行われた。この商店街で毎年行われた「ハロウィン祭」が今年はインフルエンザの影響で中止。ということでコマ大が少しでもハロウィンで盛り上げたいと立ち上がった…
問題の線分に見立てた発泡スチロールのブロックの列に2等分点、3等分点…と印をつけていく。印にはハロウィンのかぼちゃのイラストや、蒲田の名物「羽付き餃子」の写真などが使われた。一つ一つ印をつけていき、最後の15等分点も終了。答えも出た模様である。というわけで、蒲田の人が一切出演しなかった3週間のロケであった。
今回の問題。いきなり東大生チームが答えを出した。
やっぱり
マス北野も東大生チームまでは行かないものの早くも答えを出した。かく言う私もコマ大の検証を見ながら答えを出していた。「何か引っ掛けがあるのかな?」と思ったがストレートに答えを出した。もう少し難しい問題お願いしますよ
各組の解答は次の通り。
コマ大チーム | 8個 | 検証の結果 |
東大生チーム | 8個 | 計算の結果 |
マス北野 | 8個 | 計算の結果 |
正解…8個、全員正解!!
今回の問題のポイントは印をつける位置を分数と見るところである。
線分の長さを1とすると15等分点の各点の間の長さは 1/15 となる。
線分の左端から各等分点の間の長さは
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2以上の自然数 n に対して、0以上1以下で分母が n の既約分数(それ以上約分できない分数)を小さい順に並べる(ただし 0=0/1, 1=1/1 も加える)n が2から6までの時の数列を作ると次のようになる。
ファレイ数列の性質、その1:
ファレイ数列の性質、その2: |
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「お見合い問題(11/18)」
問題:7人の男性と1人ずつ順番にお見合いをします。女性はお見合いの場で男性と交際するか断るかを決めてください。 いったん交際を決めたらそれ以降のお見合いはなくなります。また、交際を決めた後、他の相手に変更することもできません。 一番良い男性と交際する確率を最大にするためにはどのような戦略をとれば良いのでしょうか。 |
コマ大チームの検証は実際にお見合いをしてみよう。ということで女性2人を呼んで、7人の男性とお見合いを行った。1人が4人目の構成作家と交際を決めた。もう1人が6人目の男性を選んだところで、すでに相手を決めた一人目が乗換え(?)を希望。しかしこれはルール違反。かくして一応2組のカップルが決定。このあと実際は誰が一番だったかを聞いたところ、コマ大チームは意外な戦略を見つけたみたい。
この問題を見てマス北野は一言「これは『ナンパ問題』だな」と宣戦布告。これはマス北野には有利か?さらにマス北野には助っ人ポヌ・ジョシアヌが帰ってきた。約半年振りのマス・ポヌペアである。
実は私もこの種類の問題は聞いたことがある。たしか答えはこんな感じだったはず。
1,2人目 | 見過ごす(2人とも断る) |
3,4人目 | 初めの2人より上ならば 交際する |
5,6人目 | 初めの4人より1番上、または 2番目ならば交際する |
7人目 | 交際する |
1,2人目 | 見過ごす(2人とも断る) |
3,4,5人目 | 初めの2人より上ならば 交際する |
6,7人目 | 交際する |
さあ、ポヌさんが帰ってきて、マス北野のひらめきは更に増したのか?各組の解答は次の通り。
コマ大チーム | 1番目の人と交際 | 検証の結果。 女性2人の解答が一致した。 |
東大生チーム | 1番目より上の人がいれば 交際する。 | 7人の男性に順位をつけ 期待値を計算 |
マス北野 ポヌペア | 3番目以降、上位の人が いれば交際(詳しくは下を) | こちらは確率の計算と マス北野の記憶から |
マス北野の解答(詳細) | |
1,2人目 | 2人とも断る |
3人目 | 前の2人より上ならば 交際する |
4人目 | 前の3人と比べ上位2番 までなら交際する |
5人目 | 前の4人と比べ上位3番 までなら交際する |
6人目 | 前の5人と比べ上位4番 までなら交際する |
7人目 | 交際する |
正解の戦略…次の通り
1,2人目 | 見過ごす(2人とも断る) |
3,4,5,6人目 | 初めの2人より上ならば 交際する |
7人目 | 交際する |
私の答えが一番近い
私のことはさておいて解説を。次のような戦略で交際する相手を決める。
一番良い男性をAさんとする。
データとなる人数を(s−1)人とし、残りのs番目以降中から交際する相手を決める。
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s | 確率 |
2 | 7/20(=0.35) |
3 | 29/70(=約0.414) |
4 | 57/140(=約0.407) |
5 | 37/105(=約0.352) |
6 | 11/42(=約0.262) |
今回はぴったしの解答をした人はいなかったが答えが近いこととポヌさん復帰記念ということでマス・ポヌペアにコマ大フィールズ賞が渡った。今回の問題を見ながらふと思った。
お見合い…してみようかな…
もし良い相手がおられましたらご連絡ください。
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「ダイアゴナル(11/25)」
問題:1辺の長さ1の正方形のタイル800枚を隙間なく並べて縦25、横32の長方形を作ります。 この長方形の対角線1本が通過するタイルの枚数を求めなさい。
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これね、簡単な計算方法があるんですよ…
…どんなんだったけな?
たけし軍団への「就活」ならぬ「弟子入り」の話をしていたコマ大チーム。今回は久しぶりにスタジオの屋上で検証を行った。検証は正方形の折り紙を問題の通りに並べて対角線を通る折り紙の枚数を数える、といういわば「コマ大方式」の検証。しかし、検証の日は台風が通過している日だったため、正に悪天候。折り紙を並べられないため検証を中断する場面もあったが、どうにか折り紙を並べ終え、答えも出すことができたようである。
今回の問題、真っ先に答えを出したのはマス北野であった。久しぶりの「閃き」と復活の「ポヌパワー(?)」なのか。一方少し遅れて東大生チームも答えを出した。私はあれからも
…どんなんだったけな?
と計算方法を思い出していた。とりあえずコマ大よりも無理やりに答えを出した。
問題では下の辺から対角線までの長さは25/32ずつ増えている。これを上の例と同じように考えると
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コマ大チーム | 56枚 | 検証の結果。折り紙を貼り 富士山の絵を描いた |
東大生チーム | 56枚 | 縦の枚数+横の枚数−1 という法則を見つけた。 |
マス北野 ポヌペア | 56枚 | 東大生と同じく 縦の枚数+横の枚数−1の計算から |
あ!間違えた!
私の考え方は間違っていなかったが、計算を半分の地点で終えてしまった。皆さんは私の「うっかりミス」にはもう慣れてしまったのでしょうか…と言うわけで、正解…56枚、全員正解
この問題の答えの出し方は東大生やマスが話したとおり「縦の枚数+横の枚数−1」で答えを出すことができる。2組はいくつかの例から答えを出したが次のように証明することができる。
上の図の「縦4、横7」や問題の「縦25、横32」の場合、縦と横の枚数の最大公約数が1であるため、対角線が通過する回数は (縦の列−1)+(横の列−1)=縦の列+横の列−2 となる。このため通過する正方形の枚数は
(縦の列+横の列−2)+1=縦の列+横の列−1
縦の列+横の列−最大公約数
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