数学とクイズでくつろいで数学の部屋「コマ大数学科」に挑む「コマ大数学科」に挑む・09年12月

「コマ大数学科」に挑む・09年12月

最終更新日2009年1月7日

フジテレビで深夜に放送されている「コマ大数学科」の問題に解く様子をご紹介します。数学をやってきたので簡単に解ける…と思ったものの…その奮闘振りをお楽しみに。なお、福岡での放送は二週間遅い模様です。そこら辺はご勘弁を。

「トライアングル×2(12/1)」
「法政に挑戦(12/8)」
「Doing Math in English(12/15)」
「四目並べ(12/22)」

ご意見がありましたらtfujisaki2006@yahoo.co.jpまでお願いします。


「トライアングル×2(12/1)」

今回は三角形を使った問題。「三角形といえば」という質問にすぐさま「三角関係」と答えた木村さん。この人大学院はちゃんと通っているんだろうか?と心配に思う。

問題:図のように重なっている上側の正三角形を回転させて下側の正三角形ぴったり一致するような点を作図しなさい。

これね、簡単な作図方法があるんですよ…
…どんなんだったけな?

と先週と同じような展開となった私である。それにしても久しぶりにシンプルな問題である。

 コマ大の検証。今回は三角形ということで(?)「1,2,3ダーツ」で検証??ダーツの的に問題の2つの正三角形を貼り付けてダーツの矢を投げる。当たったところを回転させてぴったり重なるか検証を進める。初めの2,3投目で近い箇所に当たった。その当たった箇所の近くを必死に攻めるコマ大チーム。しかし、正解の箇所は見つからない。

というか、ダーツの的に当たらない

苦戦しているうちに撮影用のテープが残りわずかに。それでも検証を強行するコマ大チーム。テープがなくなってしまってもダーツを投げ続け、答えを出した…みたい。

 マス北野・ポヌチームはポヌさんが帰ってきてから2連勝と調子が良い。今回はマス北野は図の正三角形を切って回転させながら答えを探す。ポヌさんは線を引いていく。両方向の解法を進めていたが結局はポヌさんの図を答えにした。
 一方、東大生チーム木村・山田ペアは2人の意見が一致したようで、着実に答えを出した。以前2人で遊びに行ったときに体験入学をしたタヒチアンダンスを披露。木村さん…本当に大学院は大丈夫なのか?

 私も作図法に悩んだが…

あ、そうか

と作図法を見つけた。

上側の三角形の頂点をA, B, C 下側の三角形の頂点をA', B', C' とおく。 線分AA', BB', CC'(緑色の線)を引き、3本の線分の垂直2等分線(ピンクの線)を引く。
 3本の垂直2等分線は1点に交わる。この点が求める点になる。

今回は余裕があったため、計算に使っている紙に作図法の解説まで書いてしまった。ちなみに普段計算で使っている紙は広告の裏です。さて、各組の解答は次のようになりました。

コマ大チームダーツで当たった地点を見せた
東大生チーム2つの三角形の頂点を結ぶ線分の
垂直2等分線の交点が回転する点
マス北野
ポヌペア
2つの三角形の頂点を結ぶ線分の
垂直2等分線の交点が回転する点

 東大生チーム、マス・ポヌペアの解答は私と同じ作図。コマ大チームのダーツの的にあった三角形は穴だらけであった。

 今回は全員正解とのこと。まず正解の作図法で見つけた点を中心にして回転して三角形が重なる証明を話していた。

 線分 AA', BB'の垂直2等分線の交点を O として、2つの三角形 OAB, OA'B' を比べる。

 垂直2等分線の性質から OA = OA', OB = OB' また2つの正三角形が同じ大きさであることから AB = A'B' このことから OAB と OA'B' が合同であることが分かる。このことから O を中心として OAB を回転させると OA'B' と重なることが分かる。

 同じように正三角形 ABC, A'B'C' についても調べると、上の回転によって点 C が点 C' に重なることが分かる。

 この後、「ガウス=ボンネの定理」とその応用について話していたが、私は今回の問題についてもう少し書き加えます。

 A', B', C' の点の付け方は回転させることにより全部で3通りのつけ方がある。 それぞれの点の付け方に対して解答の作図により点を決めることができるため、答えの点は一般には3個ある。

 ただし、A'B'C' が ABC の重心を中心として回転させたものであるときは、重心のみが答えの点になる(下左の図)
 また A'B'C' が ABC を平行移動させたものであるときは、答えの点は2個しかない(下右の図)

 今回も接戦となったが、タッチの差で先に答えを出したマス・ポヌペアにコマ大フィールズ賞が渡った。先ほど書いたように番組では「ガウス=ボンネの定理」について話していた。今回はこの部分は省略します。その理由は内容が複雑である、という理由です。決して

理解できなかったわけではありません。


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「法政に挑戦(12/8)」

 久しぶりの登場「東京六大学に挑戦」シリーズ。今回はタカさんいわく「シティー派」法政大学。福岡に住んでいる私にとっては「東京六大学」はどれも余り変わらないイメージがあります。福岡の大学でもどこがどう違うかも分かりませんが…

問題:行列 を…

ぎょ、ぎょ、行列〜〜!!

コマ大では初の行列を使った問題。さすがに私も驚いてしまいました。では改めて問題を

問題:行列 を50個かけ合わせたとき、できる行列を求めてください。

行列の解説:一般には数字を長方形のように縦、横に並べたものを行列という。普通は上のように大きくまとめて括弧でくくる。

縦、横それぞれ2列ずつある行列が2つあると足し算、掛け算をすることができる。

 「俺、行列習ってないよ」と早くも敗北宣言をするのはマス北野。しかし「行列は大好き」と話したのはマスとペアを組むポヌさん。今回はほとんどポヌさんに任せるようです。

 コマ大チームも問題に挑む…学生さんを探すため、法政大学へ向かった。法政大学は市ヶ谷と小金井の2つに別れているとのこと、今回は理系の学生が多く、都心から離れている小金井で学生を探した。問題に挑んだ3人の学生さんたちの結果は以下の通り。

アメフト部
富岡さん
4分15秒で正解を出す
マンドリンクラブ
仲田さん
4分17秒で正解を出す
計算技術研究会
小柴さん
2分15秒で正解を出す

 最後に来て2分台という驚異のタイムを弾き出した。ポヌさん、東大生はこのタイムに勝てるのか?…

と思ったら、東大生あっという間に解いた。

テレビをご覧の皆さんはご存知だと思いますが、マス北野や東大生が解き始めてしばらくの間CMが入る。私の勘ではリアルタイムで進めていくと、このCMの間には答えを出したのではと思う。一方マス北野…いや、ポヌさんもやや遅れて答えを出した。マス北野は横で解答を書くマジックを持っていた。マス北野もゆっくりと計算をしながら、この問題の意味を把握した。一つ大事なことを忘れていました。

私もあっという間に解きました。

今回の問題はほぼ暗算でも解けますが、一応紙に書いて解きました。時間は…1分ちょっとかな?解答は次の通り。

東大生チーム 帰納法を使って計算
マス・ポヌペア 問題の行列を2つに分けて計算

答えが見事に揃った。 もちろん正解は というわけで全員正解。 この問題、2,3個掛けていくと、どのような行列になるか予想がつきます。ここでは一足飛びの解説を

東大生は上の解説に沿った解答をした。ポヌさんは始めの行列を2つの行列の和に分けて計算をした。これも本質的には上の解説と同じである。

 さて、今回は正解を出すまでの時間が大事。2組の解答までの時間は次の通りであった。

東大生チーム1分15秒
マス・ポヌさんペア2分20秒

何と、東大生チームが1分台を出した。というわけで今回は文句なし東大生チームにコマ大フィールズ賞が渡った。ちなみに「6大学に挑戦」シリーズは東大を除くと慶応大学が残っているが、大学側が取材を拒否したため今回で終了。4大学の問題に対して2勝2敗の五分の成績(慶応大学は「コマ大側の不戦勝」とのこと)このうちコマ大側の 2勝はマス北野、東大生が1勝ずつ取った。なんでしたら、年末のスペシャルで東大生チームのメンバーで今年の東大入試問題に挑戦したらどうでしょうか?

この企画、フジテレビに持っていこうかな?


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「Doing Math in English(12/15)」

 今回は去年3月に放送された「英語で数学の問題を解く」という企画。去年の4月から入った東大生チーム(小橋・岡本ペア)にとっては初めての挑戦である。

Question: A hexagon with consective sides of lengths 2,2,7,7,11 and 11 in inscribed in a circle. Find the radius of the circle.

ふむふむ…

しっかりと問題文を読んでいく私

ん?これ難しいぞ

問題の意味は分かったもののどのように解けば良いのか分からない。何か簡単に解ける方法でもあるのか?

 番組では先にマス・ポヌペアと東大生チームが解いていった後にコマ大チームの検証がありましたが、ここでは先にコマ大チームの検証を書いていきます。今回はインドの方に協力してもらうことにした。インドは英語を準公用語とし、さらに数学者「ラマヌジャン」を生み出した国でもある。実際、科学分野ではインドは多くの功績を残している。具体的に例は挙げられないが。

 コマ大はインドの人を探しに高円寺に向かった…以前「ラマヌジャン」の時にも高円寺に行った。何でだろう。インド料理店を営むインド人に問題の意味を教えてもらったところ次の内容であることが分かった。

円に内接する6角形があり、その辺の長さは 2,2,7,7,11,11 である。このとき円の半径を求めなさい。

問題が分かったので、ついでに解いてください、とお願いしたところ「それはあなた達でしてください」と断られてしまった。問題の通りの辺の長さの六角形を作り、上から外接円になるように粉をかける(この粉はカレー粉みたい)微調整を繰り返した結果答えを出した。

 今回は私も唸るほどの難しさ。マス・ポヌペアも東大生チームも計算をしているが、久しぶりの苦戦で、核心を持てるまでの答えは出なかったようである。私は中学数学の範囲では無理、と思い三角関数を使った。

適当極まりない計算である(正直見て欲しくないし、書きたくもなかった)明らかに答えではないことは分かる。各組の解答は次の通りだった。

コマ大チーム9cm検証の結果
東大生チーム5√2/2cm四角形の対角線の長さから計算
マス北野
ポヌペア
9cmあれこれ計算をしたが
図を描いて長さを測った

コマ大チームとマス・ポヌペアが同じ答えになった。東大生チームは「計算間違い」と話していたので残り2組の答えが正解かも…

正解…7cm、全員不正解

ちょっと拍子抜けな結果となったが、たまにはこういう事もあります。では解説。ここでは後半で紹介した「プトレマイオスの定理」を使った解き方を紹介します(放送とは違う図形を使ってごめんなさい)

今回は全員不正解だったが、ある程度の計算をしていたことから東大生チームにコマ大フィールズ賞が渡った。「今回は竹内先生がコマ大フィールズ賞を」というマスのジョークも出ましたが、そんなことしていたら

どんどん難しい問題出しますよ

先生方がコマ大フィールズ賞を奪われないように3組ともがんばってください。と、私の話は棚に上げておいて…


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「四目並べ(12/22)」

 今回のテーマは「五目並べ」ならぬ「四目並べ」何とも奇妙な問題はこちら。

問題:右の図の縦6列、横6列の計36個の格子点上に白石で四目を作らせないようにするには、黒石を最少で何個置けばよいでしょうか。
(四目とは縦、横、斜めに同じ色の石が4つ並ぶこと)

 最近オープニングのネタを見なくなったコマ大チーム(多分ネタは披露しているけどカットされている)今回は???の囲碁サロンへ向かおうとした…その前に伺ったのは輪島功一さんのお団子屋。そこで勝ち運をつけるために輪島さんと四目並べをしたところ、あっさり負けてしまった…で、ちゃっかりお団子ももらったところで改めて囲碁サロンへ向かった。

 囲碁サロンは広くて静か。そんな中訪れたジャージ4人組。なるべく周囲の人に迷惑をかけないように問題を解いていく。とりあえずこんな感じかな、と並べたところ16個、12個と着実に少ない並び方を見つけた。さらに少ない個数の並べ方はないのか、と模索を続ける。しかし一向に少ない個数の並べ方は見つからない。時間は刻一刻と過ぎていった…

 私はこの問題を見て始めに思いついたのはこの並べ方。 


10個の並べ方

「縦、横の列は真ん中の2箇所のいずれかに黒石を置けばその列は四目置けない」という私に珍しい「理論的な考え方」でこの置き方を見つけた。これより少ない並べ方があるか模索を続ける。
 テレビでは私と同じように模索を続ける2組だったが、囲碁や五目並べをあまり知らないポヌさんにとっては今回はちょっと難しかったようである。さて、私もあれこれ考えていたが、最初の並べ方だと白が四目並べられることに気が付いた。で、ちょっと修正。


左の図のように斜めに四目置けるため修正

これ以上少ない置き方が見つからなかった。「10個でいいや」と投げやりな気持ちで締めた。各組の解答は次の通りであった。


コマ大チームは1時間半の考慮時間のあと、サロンに来ていた人たちに教えを乞うことにしたところ、シンプルな配置を教えてくれた(実はこの配置は考え付きませんでした)この配置から更に1個少ない配置を見つけたのは東大生チーム。マス・ポヌチームは一歩届かなかった。

正解…10個、東大生チーム正解!

問題を解くポイントは「中央に2個の黒石を隣り合うように並べる」ことと「四隅の2×2の箇所に黒石を置かない」こと。 テレビではあまり詳しく話していなかったがこのポイントで、縦、横の6列、斜めの2列に白四目を置かせないようにできる。


緑の線が引かれている列に四目置かせないようにする。

あとは残りの列に白四目を置かせないようにする配置を考えると14種類あることが分かる。


左の黒石の置き方のとき:
上の赤の枠の中にはA,B,Dの3通りの置き方ができる。
下の青の枠の中にはA,Dの2通りの置き方ができる。
この置き方で3×2=6通りの置き方がある。

右の黒石の置き方のとき:
上の赤の枠の中には4通りすべての置き方ができる。
下の青の枠の中にはA,Dの2通りの置き方ができる。
この置き方で4×2=8通りの置き方がある。

このことから、答えの10個の黒石の置き方は6+8=
14通り
ある。 (ただし図を回転、反転したものは除く)

 今回は見事正解の東大生チームにコマ大フィールズ賞が渡った。今年のコマ大の放送はこれでおしまい。次回については字幕で書かれていた。

次回の放送は未定です

「未定…か」皆さん来年もこのコーナーが続くことを願っていてください。


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