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「コマ大数学科」に挑む・12年3月

最終更新日2012年5月5日

フジテレビで深夜に放送されている「コマ大数学科」の問題に解く様子をご紹介します。数学をやってきたので簡単に解ける…と思ったものの…その奮闘振りをお楽しみに。なお、福岡での放送は二週間遅い模様です。そこら辺はご勘弁を。

ディリクレの定理 (3/7)
視聴者からの挑戦 Part 2 (3/14)
50年前の東大入試 (3/21)
卒業試験 Part 3 (3/28)

ご意見がありましたらtfujisaki2006@yahoo.co.jpまでお願いします。


「ディリクレの定理 (3/7)」

 「平均値の定理」に続いて今回は「ディリクレの定理」。別名は「鳩の巣定理」…はたしてどんな定理なのでしょう。

問題:
 座標平面上でx座標とy座標がともに整数である点を格子点と呼ぶ。5個の異なる格子点を選んだ時、 そのうち2点は必ず「中点がまた格子点となる」ことを証明しなさい。

 コマ大の検証は格子の描かれた床の上に男性4人が立ち、女性が選んだ地点と問題の条件が合う男性を見つける。見つければめでたくカップル成立?という方式。ただしその女性陣はそこそこ年齢を重ねた皆さん。さすがにコマ大チームもがっくり…と思ったが魅力にひかれてしまった。検証は…できたのだろうか?

 コマ大では珍しい証明問題。マスは少し苦手かな、と思っていたがすいすいペンが進む。東大生と共に解答を済ませた。

コマ大チーム何回も検証をしたが、必ず問題の条件を満たす
2点がある、と報告。
東大生チーム
マス・ポヌペア
x座標とy座標の偶奇が同じである2点が
ある。その2点の中点は格子点である。

 今回は証明の問題であるため、2組の説明から正誤を判定した。

判定は…2組とも正解!

もちろん、問題の条件は常に成り立つため、コマ大チームはいつでも条件を満たす2点を探し出すことができる。証明は以下の通りである。

 2個の格子点を (x1, y1), (x2, y2) とする。この2点の中点が格子点になる条件を考える。

  (x1 + x2)/2, (y1 + y2)/2 がともに整数。
⇔ x1 + x2, y1 + y2 はともに偶数。
⇔ x1 と x2 は「ともに偶数」または「ともに奇数」
  同じく y1 と y2 は「ともに偶数」または「ともに奇数」

 問題の5個の点について、x座標、y座標がそれぞれ偶数か奇数であるかということについて 場合分けを行うと次のいずれかになる。
     
  • x座標:偶数、y座標:偶数 (下の図の赤の点)
  •  
  • x座標:偶数、y座標:奇数 (下の図の緑の点)
  •  
  • x座標:奇数、y座標:偶数 (下の図の青の点)
  •  
  • x座標:奇数、y座標:奇数 (下の図の黄の点)
 点は5個あるため、そのうち4点が上の各条件に当てはまっても、残りの5点目も上の4個の条件のいずれかに当てはまるため、少なくとも2点は4個の条件のうち同じ条件に当てはまる。

 この2点は上で考えた

x1 と x2 は「ともに偶数」または「ともに奇数」
同じく y1 と y2 は「ともに偶数」または「ともに奇数」

を満たすため、この2点の中点は格子点になる。

「ディリクレの定理」とは「n+1 個以上のものを n 種類のものに振り分けるとき、2個以上含まれる種類が少なくとも1個はある」という当たり前のような定理。今回の問題では「 5 ( = 4+1) 個の点を 4 個の条件で分けると、当てはまる点が 2 個以上ある条件が1個はある」ということ。
 今回は証明が完璧だったため、マス・ポヌペア、東大生チームの2組にコマ大フィールズ賞が渡った。


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「視聴者からの挑戦状 Part 2 (3/14)」

 昨年12月に第1問目が出題された「視聴者からの挑戦状」今回はどんな問題なのでしょうか?

以下の6個のサイズの直方体がそれぞれ6個ずつある。

1×1×1、2×2×1、3×3×1
4×4×1、5×5×1、6×6×1

 これら36個を直方体の箱に収めたい。箱の縦、横、高さの合計が最も小さいときの 箱のサイズを求めなさい。

 コマ大チームが検証で訪れたのは以前たけし軍団に所属し、現在氷の製造業を営んでいる男性。今回は問題の長方形の大きさの氷を使って正解の箱のサイズを探し出す…
 と、簡単にいうものの氷が解けてしまうため、検証が行われるのは冷蔵庫の中。氷点下の中4人のおっさんが必死に氷を積み重ねていく。あわや凍死寸前??のところで答えを出すことができた。

 マスも東大生も図を描いて考えていく前に計算をして答えのめどを付けた。あとは実際に答えのサイズの箱に直方体が入るかを考える。解答は以下の通り

コマ大チーム6×7×13実際に氷の直方体を披露
マス・ポヌペア6×7×13体積の合計を素因数分解
して計算。
東大生チーム6×7×13体積の合計を素因数分解
して計算。

 私は最初、各直方体を「1個ずつ」箱に入れる問題だと勘違いしていた。しかし「6個ずつ」であることに気づいて「あ、何だ」の一言で答えを出した。

正解…6×7×13 全員正解!

 見事に正解の直方体を作ったコマ大チームに竹内先生もビックリ。それでは解説です。

 一般に1×1×1 〜 n×n×1 の直方体の一個ずつの体積の和は

1^2 + 2^2 + … + n^2 = n (n + 1) (2 n + 1) / 6

 問題では n=6 の場合であるため、一個ずつの体積の和は

6 × 7 × 13 / 6 = 91

 よって直方体が6個ずつあるときの体積の和は 91 × 6 = 546.

体積が 546 となる直方体でサイズが最も小さいものを探す。

546 = 2 × 3 × 91 寸法の和:96
  = 2 × 7 × 39 寸法の和:48
  = 2 × 13 × 21 寸法の和:36
  = 3 × 7 × 26 寸法の和:36
  = 3 × 13 × 14 寸法の和:30
  = 6 × 7 × 13 寸法の和:26

よってサイズが最も小さい直方体は 6 × 7 × 13 である。

 では実際に 6 × 7 × 13 の直方体の中に問題の直方体を入れることができるのでしょうか?
 番組では1×1×1 〜 6×6×1 の直方体一個ずつをピラミッド状に積み、同じもの6個で 直方体を作ったが、ここでは別の方法で直方体に入れる方法を考えます。

 上の左の図のように横7、奥行き6、高さ13という方向に直方体を置く。このとき上下左右を6×6×1の直方体6個で取り囲むように並べることができる。

 囲まれた中の直方体は横5、奥行き6、高さ11になる。今度は上下前後を5×5×1の直方体6個で取り囲むように並べることができる。

 このように周りを取り囲むように直方体6個を並べていくと最後に横1、奥行き2、高さ3の直方体が残る。この直方体は1×1×1の立方体6個で並べることができる。

 今回いち早く解答を出したのはポヌさん。見事な連係プレー(?)でマス・ポヌペアがコマ大フィールズ賞をゲット。


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「50年前の東大入試 (3/21)」

 今から50年前の1962年はビートルズがデビュー、「てなもんや三度笠」が始まり、東京大学では文科・理科が�機銑群櫃吠�かれた年。このころの東京大学の入学試験はどのような問題があったのでしょうか

問題:
 半径1/2mの円周を6等分する各点を中心とする半径1/2mの円を描きます。このとき外周に囲まれる部分の面積を求めなさい。

 コマ大チームは円といえばフラフープ、ということでフラフープ教室を訪れた。明らかにメタボと分かるお腹を引き締めるために先生の指導のもと汗だくで練習に励む。少しはダイエット効果が出たかな、というところで検証を開始。問題の図のようにフラフープを並べて、外周をひもでかたどって、さて面積…はどのように求めたのでしょうか?

 東大生チーム木村・杉山ペアから出た言葉は「中学生でも解ける問題だよ」簡単に計算をして答えが出たため、何か裏があるのではといぶかる2人。対照的にマス・ポヌペアは黙々と計算を進める。

コマ大チーム2.8 ��外周のひもを正方形と円の形にして、
2つの面積の中間をとった
マス・ポヌペアπ/2+3√3/4問題の形を2種類の形に分割して計算
東大生チームπ/2+3√3/4問題の形を2種類の形に分割して計算

 マス・ポヌペアも東大生チームも考え方は同じだが、分割した形が異なった。

正解…π/2+3√3/4 マス・ポヌペア、東大生チーム正解!

「東大入試は意外と易しい問題が多い」と中村先生の一言。では解説です。

今回は説明がよかった、ということでコマ大フィールズ賞は東大生チーム。


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「卒業試験 Part 3 (3/28)」

 初登場でいきなりの「秒殺」解答を見せた衛藤・伊藤ペア、テニスクラブ「トマト」で人気を集めた山田さん。この3人が大学卒業と共に番組も卒業。というわけで、今回はこの3人がマス・ポヌ・木村チームと卒業試験で対戦。

問題:
 3で割ると2余り、5で割ると3余り、11で割ると9余る

このような1000以下の整数で最も大きいものを求めなさい。

わたくし、久しぶりに「ん〜シンプル」と思ってしまいました。着実に計算を進める6人。今回は百の位、十の位、一の位を一人ずつが解答。全員当てないと正解にならない。

マスチーム 888(左から木村・ポヌ・マスが解答)
東大生チーム838(左から衛藤・伊藤・山田が解答)

 答えが二つに分かれました…ん?私の解答と違う?

正解…878 両チームとも不正解!

簡単に解説です。

正解の整数をnとする。このときn+2という整数は以下の性質を持つ。

 nを3で割ると2余る ⇒ n+2を3で割ると1余る
 nを5で割ると3余る ⇒ n+2を5で割ると余りは0、つまり5で割り切れる。
 nを11で割ると9余る ⇒ n+2を11で割ると余りは0、つまり11で割り切れる。

2,3番目の条件からn+2は55の倍数であることが分かる。55の倍数で3で割ると
1余る数は55自身がある。よって55−2=53がnの条件を満たす。

 53と同じく問題の条件を満たす整数は53以外に3×5×11=165の倍数を加えた
整数がある。そのような整数を考えると

53、218、383、548、713、878、1043…

となるため、1000以下で最も大きい整数は878である。

 何とも苦々しい結果。そこで卒業試験の追試験を出題。

問題:
 階段を一歩で1段または2段上がっていきます。ただし、
連続して2段上がることはしません。

 この条件で15段昇る方法は何通りあるでしょうか?

「ん〜シンプル?」と唸ってしまいました。おなじみのフィボナッチ数列とは違うようですがどのように計算すれば良いのでしょうか?

マスチーム 277(左から木村・ポヌ・マスが解答)
東大生チーム277(左から衛藤・伊藤・山田が解答)

 今回は答えが合いました…ん〜私は答えが出せず

正解…277 両チームとも正解!

この問題ではフィボナッチ数列のようにすんなりとは解けないとのこと。

 条件を満たす階段の昇り方について、一歩で2段上がる歩き方が何歩あるかで場合分けをする。

2段上がる歩き方が0歩のとき:この時はすべて一歩で1段ずつ上がる
⇒昇り方は1通り

2段上がる歩き方が1歩のとき:この時は13歩が1段上がる歩き方である。この13歩と2段上がる1歩の並べ方は

2+1+…+1、1+2+…+1、……、1+1+…+2

という方法がある。
⇒昇り方は14通り

2段上がる歩き方が2歩のとき:この時は11歩が1段上がる歩き方である。この11歩と2段上がる2歩の並べ方で後者の2歩が連続しないものは

2+1+2+1+…+1、2+1+1+2+…+1、……
1+…+2+1+1+2、1+…+1+2+1+2

という方法がある。これらは11個の「1」の間10か所と両端2か所の合計12か所のうち2か所に「2」を入れた並べ方と同じと見ることができる。
⇒昇り方は 12 C 2 = 66通り

この考え方を応用すると

2段上がる歩き方がn歩のとき:(15−2n)歩が1段上がる歩き方である。これらの歩き方の並びで連続して2段上がらないものは(15−2n)個の「1」の間(14−2n)か所と両端2か所の合計(16−2n)か所のうちnか所に「2」を入れた並べ方と同じと見ることができる。
⇒昇り方は (16-2n) C n 通り

となる。

n=3 ⇒ (16-2*3) C 3 = 120通り
n=4 ⇒ (16-2*4) C 4 = 70通り
n=5 ⇒ (16-2*5) C 5 = 6通り

nが6以上のとき、16-2n ≦ n となるため、条件を満たす並べ方ができない。以上から問題の条件を満たす並べ方は

1+14+66+120+70+6=277通り

 このあと、コマ大チームからの粋なクイズを加えコマ大メンバーからの贈る言葉と共に3人は卒業となった。初代東大生チームの卒業の後、いきなり大所帯となった東大生チームのメンバー。3人も減って寂しいですが、また新たなメンバーが加わるのでしょう。それにしても、私も長々と続けているもんだな…


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