数学とクイズでくつろいで数学の部屋「コマ大数学科」に挑む「コマ大数学科」に挑む・12年11月

「コマ大数学科」に挑む・12年11月

最終更新日2011年12月24日

フジテレビで深夜に放送されている「コマ大数学科」の問題に解く様子をご紹介します。数学をやってきたので簡単に解ける…と思ったものの…その奮闘振りをお楽しみに。なお、福岡での放送は二週間遅い模様です。そこら辺はご勘弁を。

小笠図形(11/2)
自転車と数学(11/9)
公務員試験に挑戦 Part 2(11/16)
Dots & Boxes(11/23)
視聴者からの挑戦状 Part 6(11/30)

ご意見がありましたらtfujisaki2006@yahoo.co.jpまでお願いします。


「小笠図形 (11/2)」

 あれ、ポヌさんがおっさんに??ポヌさんは大学の用事のため今回は東京名物大神本舗五百年がマスの助っ人として参加。助っ人となるか否か。

問題:
 正方形の紙を使って作られる容器で、最大の容量を持つものを見つけなさい。
 紙は切って、張り合わせることはできるが、隙間ができるとその分容量が減るものとする。

 今回の問題の解答は現在最大とされている容量を求める問題。その容量を探し出したのは高校生の小笠さん。研究を重ねた結果であるため、数学の学会でも話題になっている、とのこと。
 高校生に負けてはならないと3チームが挑む。コマ大チームもスタジオで挑戦。

 マス・ポヌペア、東大生チームは円錐に近い形を作った。その一方コマ大チームは半球形のお椀型にした。砂を入れて容量を測るとコマ大チームが一番量が入った。今回の問題で取り上げた「小笠図形」とはどのような物かご紹介。

左の図のように切り、いくつかの形に分けて右の図のように貼り合わせる。右の図は容器を上から見た図で中央に行くほど奥に膨らんでいる。
その後、改良を重ねて、さらに容量の大きい容器を作り上げた。その図は以下の通り。作り方は先ほどと同じ。

 さて、改良版の容器で同じように砂を入れてみると…あれ?コマ大チームより少ない??コマ大チームは実際は隙間があり、それをテープなどでふさいでいるため、容量が大きくなってしまった。現在のところ計算で求められる容器では小笠図形が一番容量が大きい。
 今回は一番容量のある解答を出した。ということでコマ大チームにコマ大フィールズ賞が渡った。


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「自転車と数学 (11/9)」

 新東大生に決まった溝田さんが満を持して登場。さらにポヌさんの結婚!!何かとおめでた続き(?)のコマ大。

問題:
 前輪が半径60cmと大きいオーディナリィ型の自転車でペダルを100回転させたときの 距離を現在の形の自転車で進むとき、ペダルは何回転させる必要があるでしょう?

 ここで、現在の形の自転車はペダルのギヤが32、後輪の歯車の歯が14、後輪の半径が35cm とする。

 今回の問題は自転車の歴史などの展示を行っている「自転車文化センター」の方が考えた問題。コマ大チームはさっそく「自転車文化センター」に向かった。一通り話を伺ったところで、さあ自転車…と思ったら自転車がバラバラ。コマ大チームは自転車を組み立て始めた。元競輪部であった無法松が中心となり、どうにか完成したが部品が少し残っている。
 検証はまず展示されているオーディナリィ型の自転車を1回転分進ませて、距離を計測。その100倍の距離を実際に組み立てた自転車で進みペダルの回転数を数える。これはマスや東大生が計算している間に行う。

 さて、計算そして回転数を数える…と思ったら2チームが計算を早々と終わらせてしまった。あとはコマ大チームが帰ってくるのを待つだけ。待つだけ待ったが時間切れ。解答は以下の通り。

コマ大チーム81回転検証の結果
東大生チーム75回転100回転の距離から現在の
自転車のタイヤの回転数を計算
マス・ポヌペア75回転100回転の距離から現在の
自転車のタイヤの回転数を計算

運動神経は良いものの自転車には乗れないことがバレた溝田さん。ペダルのギアの意味に戸惑ったがまずは計算終了。コマ大チームは解答途中に戻ってきた。汗だくの4人であった。

正解…75回転 マス・ポヌペア、東大生チーム正解!!

計算はさほど難しくはない。自転車のことを知るには良い問題である。

 オーディナリィ型の自転車はペダルと前輪が直接ついているため、ペダルを1回転させると前輪も1回転する。
 オーディナリィ型の自転車の前輪が1回転するときの距離は 2×60π = 120π cm. つまり100回転するときの距離は 120π×100 = 12000π cm

 現在の形の自転車で後輪が1回転するときの距離は 2×35π = 70π cm. つまり 12000π cm を進むときの後輪の回転数は

12000π/70π = 1200/7 回転

となる。

 現在の形の自転車はペダルと後輪がチェーンでつながっているため、ペダルを1回転させても後輪が1回転するとは限らない。ペダルと後輪の歯車の歯(ギア)の数によって決まる。
 後輪とペダルの歯車は同じ歯の数だけ進むため、後輪の歯車が1回転する間にペダルの歯車も歯が14個分だけ進む。つまり後輪が1回転する間にペダルは 14/32 = 7/16 回転する。

 以上から後輪が 1200/7 回転する間のペダルの回転数を求めると

1200/7 × 7/16 = 1200/16 = 75 回転

となる。

 一番早く正解を出したのはマス北野。見事にコマ大フィールズ賞を獲得した。


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「公務員試験に挑戦 Part 2 (11/16)」

 以前取り上げられた公務員試験の問題が再び登場。さて、コマ大メンバーは公務員になれるのか?

 というわけで、実際に試験を受けてみよう。コマ大チームが訪れたのは公務員試験合格の実績で知られる専門学校LEC。コマ大チームは年齢も40代前後、職業もお笑い芸人。そんな人たちを採用してくれるのか…と尋ねたところ、59歳まで採用資格を広めている所もあるそうです。さらに筆記試験もなく、面接のみで採用される所もある。
 それを聞いたら今からでも遅くないとコマ大チームそしてなぜか吉田プロデューサーも加えて面接の模擬試験をすることになった。自己PRやエントリーシート、集団討論の内容を見て試験官が判断した合格基準を満たす人物は…ダンカン部長、そして無法松。意気揚々のコマ大チーム、今回は3チーム同時に公務員試験に挑戦する。

 問題は2問。最初の問題はこちら。

問題:
 図のように一辺の長さが2aの正三角形と一辺の長さが3aの正方形が並べてある。正方形が正三角形の周囲を滑らないように回るとき、図の点Pは次のどの軌道を描くのが妥当か答えなさい。

公務員の道もある、ということでいつになく真剣な(?)表情のコマ大チーム。マスも東大生も図を描いて答えを導き出す。

コマ大チーム(4)
東大生チーム(5)
マス・ポヌペア(4)

東大生チームは着実に図を描いて考えていった……

正解…(3) 全員不正解!

残念ながら全員不正解。落ち着いて考えると分かるんですけどね…

点Pは図の番号に沿って移動して (3) の軌道をえがく。

続く2問目はこちら。

問題:
 1万円札を次のA、B、Cのように並べたり、積み重ねたときの枚数を多い順番は次のどのようになるか答えなさい。

A.1万円札を積み重ねて厚さが富士山の高さ(約 3800 m)までにする。
B.1万円札を敷き詰めて、沖縄本島の面積(約 1200 平方キロ)までにする。
C.1万円札を横方向に並べて、赤道一周の長さ(約 40000 キロ)までにする。

(1) A<C<B (2) B<A<C (3) B<C<A (4) C<A<B (5) C<B<A

 まずは一万円札を探そうとスタジオを飛び出したコマ大チーム。持ってきた一万円札を見て「こんなに小さかったっけ」と感心するマス北野。東大生チームはひたすら計算…と思ったら紙を折っている?どのような作戦を取ったのか?

コマ大チーム(2)一万円札を折って厚さを求めて
計算して求めた
東大生チーム(1)紙を折って厚さを求めて
計算して求めた
マス・ポヌペア(1)100枚で厚さ1cmとみて
計算

 はたして正解はあるのでしょうか?

正解…(1) 東大生チーム、マス・ポヌペア正解

これは落ち着いて計算をしないとミスをします。では落ち着いて解説。

A.1万円札 100 枚で厚さ 1cm とする。3800m を cm で表すと 3800×100 = 3.8×10^5 cm となるため、1万円札の枚数は

3.8×10^5×100 = 3.8×10^7

B.1万円札の大きさを縦 10cm 横 20cm とする。この時1万円札の面積は 200 = 2.0×10^2 cm^2。 沖縄本島の面積を cm^2 で表すと

1200 ×(1000×100)^2 = 1.2×10^13 cm^2

となるため、1万円札を敷き詰めたときの枚数は

1.2×10^13 / 2.0×10^2 = 6.0×10^10

C.1万円札の横の長さを 20cm とする。赤道1周 40000 km を cm で表すと 40000×1000×100 = 4.0×10^9 cm。よって1万円札を横に並べたときの枚数は

4.0×10^9 / 20 = 2.0×10^8

 以上の計算結果から枚数の多い順に並べると

A<C<B (3.8×10^7 < 2.0×10^8 < 6.0×10^10)

となる。

 今回はしっかりと計算をしていた、ということで東大生チームにコマ大フィールズ賞が渡った。


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「Dots & Boxes (11/23)」

 今回がおなじみ「ゲームの必勝法」問題。勝つためのジンクスをたずねたところ、すっぴんで挑む東大生杉山さん、漫才の前にぐるぐる回るマス、そしてビンの中のビンを置いているゾマホンさん、と様々な解答。何はともあれ、問題を解いて勝ちましょう。

問題:
 2人が図の16個の点の隣り合う2点を交互に線で結ぶ。正方形を作る線を引いた人がその正方形を自分のマスにすることができる。この時の必勝法を考えなさい。
 ただし、正方形を作った人は、続けてもう1本線を引くことができる。その線で正方形ができたら続けて線を引く。また斜めに線は引けない。

 上の例の場合(先手:赤線、後手:青線)後手が点線の部分を引くと正方形ができるため、囲まれた部分が後手のマスになる。これにより後手は続けて線を引くことができる。

 コマ大チームは必勝法を編み出すため、中野新町に訪れた。芸能人をよく見かけるこの街で芸能人と対戦していく。登場したのは松村邦洋さん。行きつけの店で対戦したところ、見事コマ大チーム勝利!続けて渡嘉敷勝男さんのジムを訪れ対戦したところ敗北!スパーリングの罰ゲームを受けることに。そんなこんなで最後は行きつけの居酒屋で店長と対戦。どうにか必勝法をつかんだコマ大チームは店長にも勝ち、飲み放題のご褒美をもらった。

 検証の甲斐もあり、余裕の表情を見せるコマ大チーム。東大生チームもある程度の必勝法を見つけている様子。マスはポヌさんと対戦していくが必勝法を見つけきれていない様子。最後に「これでいいのかな」と一言。解答は実際に竹内先生と対戦して行くことに。

 おそらくマスも同じ必勝法だったが、違った方法で挑んだら敗北。マスらしいといえばマスらしい。 コマ大チームや東大生チームが見つけた「点対称の位置の線を引く」方法で後手必勝という方法もあれば、以下の図になるように引いて後手必勝という方法もある。いずれにせよ後手必勝になる、とのこと。

解説ではあっさりと行ったが、かなりの数の場合分けが必要と思われる。コマ大フィールズ賞は見事必勝法を見つけ出した……コマ大チームに。「竹内道場」と銘打ったものの竹内先生2連敗。次回はあるのでしょうか?


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「視聴者からの挑戦状 Part 6 (11/30)」

 オープニングは戸部アナの結婚の話。お相手は東大卒の建築士の方。東大卒とはこれもコマ大の縁なのでしょうか?

問題:
 図のような立体「スフェリコン」の展開図を描きなさい。

 今回はコマ大チームもスタジオで問題に挑戦……その前に、以前「視聴者からの挑戦状」シリーズのときに行われたラジオ番組が再登場。まずは戸部さん、木村さんにアタックしたい方々からの葉書、メールを紹介。収録は戸部さんの結婚が発表される前でした。その後にお便りをいただいた方に突撃電話を決行。電話を受けたのはスペシャルで紹介された、北海道文化放送にコマ大の放送を要望した西谷さん、そして同じくスペシャルで一気に初代マスマスターになった藤崎さん……

私です。

いや〜短い時間とはいえ、ダンカンさんとお話しできたのは光栄です…っと私の話はさておいて。最後にコマ大の新企画の案などを紹介して終了。

 ポヌさんの代役で登場したのは、東大生チーム研究生の横内さん。あまり慣れないが計算はしている様子。図形が得意のマスだが、ちょっと悩んでいる様子。東大生は溝田さんが秒殺で展開図を求めた。あとは何やら計算を始めた。3組の展開図は以下の通り。

 何とも不思議な図が3つ。正解はあるのでしょうか…

正解…東大生チームの展開図!

 まずはこの「スフェリコン」の作り方から解説。

 円の半径と高さが同じ円錐を2つ作り、底面で貼り合わせる。
⇒2個の円錐の頂点を通る平面でこの立体を切ると、同じ形の立体が2個でき
 る。
⇒1個の立体を90度回転させて円錐の曲面が横に並ぶような位置に
 する。
⇒先ほどの切り口は正方形であるため、90度回転させても切り口を合わせる
 ことができる。
 回転させた立体と回転させていない立体を合わせると切り口が合わさり「スフェリコン」ができる。

 このような作り方から、4つの面A,b,B,aがこの順に辺で隣り合うことが分かる。さらに最後のaはAとも辺で隣り合う。このことから4個の扇形を順につなげた形が展開図となる。
 この扇形の中心角を求めると以下のとおりである。

 コマ大フィールズ賞は文句なしの東大生チーム。


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