「コマ大数学科」に挑む・10年3月
最終更新日2010年5月4日
フジテレビで深夜に放送されている「コマ大数学科」の問題に解く様子をご紹介します。数学をやってきたので簡単に解ける…と思ったものの…その奮闘振りをお楽しみに。なお、福岡での放送は二週間遅い模様です。そこら辺はご勘弁を。「影 Part 2(3/3)」 |
「アフィン平面(3/10)」 |
「カレンダー(3/17)」 |
「期待値 Part 2(3/24)」 |
「星座(3/31)」 |
ご意見がありましたらtfujisaki2006@yahoo.co.jpまでお願いします。
問題:底面が半径1mの円で高さが1mの円柱と底面の円の中心から2m離れたところに高さ2mの街灯がある。 この街灯が地面に作る影の面積を求めなさい。 |
…って、影絵の練習は役に立っているのか?
それはともかく、熱いライトに苦労しながら細かいところもきちんと数えながら、答えを出すことができた。私も大まかな影の形は分かっていた。
(灰色の部分) |
そんな私のことはさておいて、各組の解答です。
コマ大チーム | 12平方m | 方眼紙の面積から計算した結果 |
マス・ポヌペア | 2(√10-1)+(13/6)π | 正三角形から影にならない 部分を引いて面積を計算。 |
東大生チーム | 2π+3√3 | 座標を使い影をいくつかの 部分に分けて面積を計算。 |
正解…2π+3√3 平方m 東大生チーム正解。
マス・ポヌペアも東大生チームと同じ図を描いていたが、計算の途中で何かを間違えていたみたい。上の図の曲線は円の一部で半径は問題の円柱の2倍、つまり2mとなる。では面積の計算を。
光から影の端までの長さ=光から当たる部分までの長さ×2 よって、影の周囲の一部は半径2(円柱の半径×2)の円をなす。また光が円柱に接するように当たる部分はちょうど光からの直線が円柱と接する箇所になるため、上の図から円柱を中心として左右30度のところになる。以上の結果を元に影の面積の計算に必要な距離を求めると上の図のようになる。
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この問題 結構難しいよ
接する箇所を求めるのと同様に、影が円の一部をなすことは座標を使って証明することができるが、三角形の相似を使っても証明ができる。いずれにせよややこしい。もちろんコマ大フィールズ賞は正解を出した東大生チーム。しかし、正解の値はおよそ11.5平方メートル。コマ大チームの解答は意外に近かった。
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「アフィン平面(3/10)」
問題:下の16個の点を一本の直線を折れ線にして 結びなさい。 ただし、5回しか折れてはいけません
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全然関係ないじゃん!!
そんな愚痴をこぼしながら、問題を解き始める私である。コマ大チームの挑戦は久しぶりにスタジオのある建物の屋上で行われた。内容はいたってシンプル。床に置かれた16個の点を通るような5回折れる折れ線を作る。シンプルであるが、いつものように風が強く寒い!!すんなりと解けると思いきや答えが見つからない。そこで久々のアタルチャンス!折れ線を枠(16個の点)の外まで伸ばすことを考え付いた。しかしそこからがまた試行錯誤の連続であった。つくづく思うが、あのスタジオの屋上はコマ大の挑戦用に作られたのではないか。
マス・ポヌペアと東大生チームの挑戦が始まった。とりあえず線を引き始めたマス北野…
これ、できちゃったよ
とあっという間に答えを出してしまった。東大生チームは小橋・岡本ペア。こちらは理論的に攻めているのか試行錯誤を繰り返している。それにしても岡本さん…派手。私もできちゃったよ
実はマス北野と同じようにとりあえず線を引いていったら、コマ大の挑戦の間に答えを出してしまった。
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16個の点を1回だけ通る折れ線の引き方を考えてください。 上の図では上から2段目の左右両端の点で2回ずつ折れ線が通っている。 |
各組の苦戦の結果は以下のようになりました。
今回は全員正解を出すことができた。「各点を1回ずつ通る」という条件を満たすものも、満たさないものも解答の図は多くある、とのこと。解き方は折れ線1本に何個の点を通るかを考えて、後は…コツコツと探してください。
さて、私の解答はどうなったかというと…
こんなに作ってしまいました。
1番目と3番目はマス・ポヌペア、東大生チームの解答と似ている。残り二つはまったく別のもので特に4番目は「各点を1回ずつ通る」という条件を満たしている。我ながら変な答えを出したなあ。今回のコマ大フィールズ賞は時間ギリギリの大逆転、追加した条件を満たす解答を出したコマ大チームに渡った。調べてみると昨年10月の「サイコロ必勝法」以来のコマ大チームのコマ大フィールズ賞となった。番組の最後に「問題に挑戦する東大生募集」のお知らせが。コマ大を卒業する人がいるんでしょうか?
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「カレンダー(3/17)」
タケシくんがデートする日付の数の和はいくつでしょう。 右のカレンダーは2010年3月のカレンダー |
今回は秒殺、いただきます
…と言いたいところですが、慎重に計算して…コマ大チームはオープニングにロシア民謡『一週間』の替え歌を披露。しかし「どうせ一週間ヒマなんだろ」とマス北野のツッコミが見事的中。そんなコマ大チームは実際にカレンダーを使って検証。そのとき出ました、アタルチャンス!!…いや
スーパーアタルチャンス!!(と勝手に命名)
何と検証することなく、答えを求めることができた。それでは検証が終わってしまう、といって作り始めたのは「コマ大カレンダー」。イラストにコマ大レギュラーやスタッフの顔をはめて12ヶ月のカレンダーを作り上げた。さてスーパーアタルチャンス!!(と勝手に命名)は正しかったのでしょうか?今回は秒殺を見越したのか、解説の竹内先生から「説明をして欲しい」ということ。 その言葉どおり、マス・ポヌペア、東大生チームとも答えは出した模様。問題は解説(何か表現がおかしいですが)答えをどのようにして出したかというのが今回のポイントであった。東大生のプチ情報で山田さんが「寝るときに電気を消すようにした」というかわいらしい話をしたところ、竹内先生も寝るときには電気をつけるということが発覚 。こんなたあいのない話の間も黙々と計算をするポヌさん。ちなみに私は真っ暗なほうが寝やすいです。
と雑談をしている間に時間が来ました。解答は以下の通り
コマ大チーム | 83 | 検証の結果「丼勘定」と コメント |
マス・ポヌペア | 83 | 日曜日を基準にして各曜日 との差を考えた。 |
東大生チーム | 83 | 日曜日を基準にして各曜日 との差を考えた。 |
その通りです、83です。
と私は1人うなずいていた。正解…その通りです、83です。
さて、ポイントとなる解説は…というと、 これもマス・ポヌペアも東大生チームもほぼ同じものであった。私も同じですので解説を
このときカレンダーの日付はその日付のマスの左の数と上の数の和になる。 例:9=7+2、25=21+4 問題の5日のデートは各週1回ずつであるため、日付の早い順に並べると 0+(上の数)、7+(上の数) …… 28+(上の数) という和の形になる。さらに各和の(上の数)はデートの曜日によって決まる。問題では
月曜が1回⇒「上の数=1」の日が1回
0+7+14+21+28+(上の数の合計) |
1+10+20+24+28
6+7+17+22+31 |
コマ大フィールズ賞は竹内先生も悩むほど、2組(コマ大チーム以外)の解法も良かったため「両者に」との結果。それに対して「今回は譲ります」のマス北野であった。前回から「東大生募集」の告知と共に「問題募集」の告知もあっている。私も問題を送ろうかと思いましたが、これまで同様「解く側」でこのページを続けたいと思います。 問題を送る皆さん、くれぐれも
私が分かる問題にしてください。
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「期待値 Part 2(3/24)」
問題:10種類のくじが入った箱がある。 10種類のくじすべてを手に入れるのに必要な回数の期待値を求めなさい。 ただし、くじの数は任意であり、常にそれぞれの種類のくじを取り出す確率はどれも等しいとする。 |
様々なものをもらってきたコマ大チーム。今回はくじでいろんなものもらいたいと、ガチャガチャが並んでいるところにやってきた。昔は1回10円だったガチャガチャも今は1回100円…と、そこまでガチャガチャに対する思い出のない私。やっぱり計算をしていた。
ガチャガチャコーナーを離れて、ガチャガチャのメーカーにやってきたコマ大チーム。もちろん検証はガチャガチャを使って行う。実際に10までの数字が書かれたくじを入れて4人が10種類のくじを引くまで何回くじを引くかを数える。しかしそこはコマ大。同じ数字が出たときには飲み物の罰ゲーム。罰ゲームの定番「青汁」に始まって「イカ墨」「ノニジュース」など飲まされた…で、結果はどうなったのでしょうか?
さて、今回の問題。
どう手をつければ良いのか分からない
一応くじの種類が2種類の時を考えてみた。
コマ大チーム | 32回 | 検証の結果。4人の回数の平均を とった。 |
マス・ポヌペア | 30回 | 10/10 + 10/9 + ... + 10/2 + 10/1 を計算 |
東大生チーム | 55回 | 一言「あてずっぽ」 |
正解…29.29回
マス・ポヌペアは誤差があったが、計算が正しかったため正解。今回のポイントは「N種類のくじでN種類のくじが出る期待値」ではなく「10種類のくじでN種類のくじがでる期待値」を計算することである。
(N−1)種類のくじが出たとき、次に新しいくじが出る期待値を
計算する。
「確率×期待値=1」 という性質を使うと右の表の結果が出てくる。各期待値は「新しいくじが出るまでの回数の平均」であるため、 全種類を出すまでの期待値は表の期待値を足し合わせた値
10/10+10/9+10/8+ ... +10/3+10/2+10/1 となる。 |
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私、この解説を理解できません…でした。
なぜ「確率×期待値=1」になるのか。放送を見た後あれこれ考えてどうにか理解しました。この「確率×期待値=1」の理由は極限を使った内容になりますので難しいと思います。そのため別のページにまとめました。PDF ファイルですが、もし読んでみようという方がおられましたらこちらをご覧ください。
マス北野も「50回まで行かないだろうから」とあれこれ計算して出した、とのこと。それでもぴったり正解したためコマ大フィールズ賞はマス・ポヌペアに渡った。
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「星座(3/31)」
何時間かあとに星AとBが同時に地平線に沈み、その後星Cが沈みました。星Cが沈んだ時刻を求めなさい。 (条件の追加:B,C,Nの3つの星も直角二等辺三角形になり、BとNは地平線から同じ高さの位置にあります。またA,B,Cの3つの星はNを中心に24時間で1周します。これが分かっていないと解けないよ) |
この問題ねえ…知ってるんですよ
この大会からの出題 |
でもねえ…解いてないんですよ
とにかくこの時間で解けばいいんです。すっかり巨乳話にオープニングを取られてしまったコマ大チーム。今回は検証としてとあるお寺に向かった。なぜ星座にお寺?という疑問を抱きながら寺のお堂に入るとそこにはプラネタリウム。何と天文好きの住職がお寺の中に作ってしまったのです。こんなの作っていいのか?ともかくこのプラネタリウムを使って検証を始めた。
星空から実際に問題のA,B,Cの星に当たるような3つの星を探して、プラネタリウムを動かし(時間を進めて)Cの星が沈むまで待つことにした。しかし相手は星。時間を進めても動いてはいるが動いているような気配がない。いつしか睡魔と闘うコマ大チーム。そして敗れて眠る無法松。そんな中やっとでCの星が沈んだ。今回は検証時間がそのまま解答となる。さてどのくらいだったのでしょうか?
計算を始めたマス・ポヌペアと東大生チーム。早々と星が沈むときの図を描き始めた。お互いある程度の解き方は分かっている様子。あとは計算勝負となった。東大生のプチ情報は「巨乳になりたい」小橋さんが行っている巨乳レシピ(?)鶏肉やキャベツを食べながら努力している、とのこと。ただポヌさんは巨乳かもしれないが他のところも…ま、それはともかく両者とも解けた模様です。
コマ大チーム | 午後11時30分 | 検証の結果 |
マス・ポヌペア | 午後8時30分 | 計算は正しかったが 時間の経過を勘違い。 |
東大生チーム | 午後11時30分 | 星Cが沈むまで回転する 角度を計算 |
正解…午後11時30分、東大生チーム、コマ大チーム正解!
今回の解き方のポイントはAとBが同時に沈む時の4つの星の位置関係を考えること。
AとBが同時に沈むとき(真ん中の図)三角形ACBと三角形CBNは同じ直角二等辺三角形であるため、ABNCは平行四辺形になる。つまりCNは地平線と平行になる。 さらにNから地平線に垂線を下ろして地平線と交わるところをTとする。このときTNの長さはBからCNへの垂線の長さと等しくなるため、 CN=2×NT という関係であることが分かる。
A,Bが沈んだ後Cが沈むとき、三角形CNTはTを直角とする直角三角形となる。 このとき「CN=2×NT」の関係からこの三角形は正三角形の半分の形になる。このことから 角CNT=60度 となる。つまりA,Bが沈んでから30度回転してCは地平線に沈む。以上より、始めの位置から45+30=75度回転して星Cは沈むことが分かる。 それぞれの星は24時間で1周=360度回転することから、75度回転する時間は 24×(75/360)=5時間 始めの時刻は午後6時30分だったため、Cが沈む時刻は午後11時30分となる。 |
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